幸運を呼ぶ「120度」の角度を利用しよう!1(ページ2)

前回の「科学的な観点から見る「相性診断」の最先端3」では、ラグランジュ点について触れながら、天体間の関係性における「エネルギーが安定しているポイント」とホロスコープでのソフトアスペクトの合致についてお話ししました。今回はこのラグランジュ点とホロスコープの関係性について、もう少し詳しくお話ししましょう。

ラグランジュ点のうち、L4とL5と呼ばれるポイント(天体から左右に60度の点)は、エネルギーが安定しており、ちりや小惑星がたくさん集まっている天体力学上の重要なポイントです。特に木星のラグランジュ点は多くの小惑星群を抱えています。詳しくは、下記のJAXAのサイトの一番下の画像を見ると分かりやすいかと思います。

JAXA はやぶさ2プロジェクト (Hayabusa2 Project)
「トピックス 太陽−地球系のL5点付近の観測について」

ラグランジュ点は、運動力学の「ラグランジュの運動方程式」によって導き出されるポイントですから、どの天体間にも生じるポイントです。その理屈から行くと他の天体にもこういった小惑星群が存在していいはずなのですが、小惑星が集中しているという点においては、木星のラグランジュ点は太陽系内でも最大の規模を誇っています。逆に言えば、木星の重力場におけるラグランジュ点の安定性は太陽系随一ということなのです。

地球上の水であろうと宇宙空間であろうと何であろうと、物体はエネルギーの安定した場所でとどまります。宇宙空間内でちりや小惑星がそのポイントに多く集まるということは、その近辺で最もエネルギーの流れが安定している場所がその場所であるということです。

ホロスコープで使用する主要な天体は太陽、月、地球以外の各惑星と冥王星の10個、現実の主要な天体もそれと同じであると考えると、ホロスコープと現実の物理現象が合致する確率は10×10=100分の1です。
ホロスコープにおいて、太陽系最大の吉星と呼ばれる木星が、太陽系で最も安定したラグランジュ点──エネルギーの安定したポイント──を持っているということは、単なる偶然なのでしょうか。

■120度の関係性が強い吉角度である科学的根拠

このように、ある天体から60度の位置というのは、特別な意味合いを持った位置になります。西洋占星術では特に天体と天体が120度の関係性になると非常にエネルギーの流れが良い配置として位置付けられていますが、2つの天体が120度の関係性になるということは、その天体とその天体の間に二重のラグランジュ点が形成されることになります。以下の図を見れば分かりやすいでしょうか。
■120度の関係性が強い吉角度である科学的根拠
気を付けなければならないのは、ラグランジュ点は公転軌道上、実際の宇宙空間上に存在するポイントですが、ホロスコープが地球から見た天体同士の関係性を表示した地動説に基づくものであることに対し、実際の宇宙は太陽を中心とした天動説の概念によって動いているということです。円の中心が地球と太陽という違いがありますから、当然ホロスコープでの角度と宇宙空間上の角度には違いが生じます。これに対応した占いをしましょうということで近年注目されているのが、太陽を中心としたホロスコープによって占いをするヘリオセントリックと呼ばれる占い方法です。これはとても新しい学問ですが、占星術を科学的に見る観点からは非常に興味深い占い方法だと言えます。

■太陽を中心としたホロスコープチャートについて

例をもとに説明しましょう。以下のチャートは、2019年に冥王星(及び隣接した土星)、月、火星がすべて120度の関係性としてグランドトラインが形成される3月20日のチャートになります。
■太陽を中心としたホロスコープチャートについて
見事な三角形が浮かび上がっていることが分かりますね。しかし、この全く同じ時間帯のチャートを太陽を中心としたチャートに変えると、以下のようなものになります。(分かりやすいように、冥王星及び土星が同じくらいの位置になるようにしています)
■太陽を中心としたホロスコープチャートについて-2
いかがでしょうか。三角形が崩れ、どこにも見当たらなくなってしまっていますね。宇宙空間上にはグランドトラインは存在していないということになります。特に火星と冥王星及び土星の関係性がかなり変わってしまっています。しかし、変わっていない関係性もあります。月と冥王星及び土星の間のトラインは、変わらず存在しています。これは、冥王星や土星といった遠い星からすれば、太陽のすぐ近くにある地球は太陽とほとんど同じ位置にあるようなもので、地球を中心にしても太陽を中心としてもあまり変わらないからです。逆に、火星のような近い星になると、中心を太陽とするか地球とするかで、相対的な位置関係は大きく変わります。
これは以下の図を見ると分かりやすいかと思います。冥王星まで含めた太陽系の天体の公転軌道を図式化したものです。
■太陽を中心としたホロスコープチャートについて-3
冥王星の公転軌道を図にすると、太陽と地球の位置の差など微々たるものだということが分かりますね。
このように、宇宙空間上の実際の力学的な関係性は、遠い星になればなるほどホロスコープ上と宇宙空間上の差がなくなります。

次回は、この点を踏まえて、四柱推命との関係性についても見ていきましょう。