【芦屋道顕】刑場跡地とホストめった刺しの事故物件・土地の来歴はやはり関係する【土地の因縁】(ページ2)

今回のホストが刺される事件が起きたマンションは、以前は別のマンションが建っていた。しかし、いくつもの変死(殺人・自殺)事件があり有名な事故物件となっていたのじゃ。そして、ここ数年の間に建て替えられた。

新宿で男性が女に刺された殺人未遂事件の現場マンションは、紀州のドンファンの妻も住んでいた「プレール・ドゥーク東新宿3」だった!

しかし、またしても……今回は死者は出ておらぬとはいえ、やはり曰く付きとなる事件が起きてしまったのう。

このあたりは、明治の初めの頃、伝馬町にあった監獄が牛込市ヶ谷に移転され『市ヶ谷監獄』そして明治の後期に置かれた東京監獄があった場所じゃ。監獄だった場所と処刑場だった場所は少し離れてはいるが、近くには刑死者慰霊碑も建てられている。明治の終わりに起きた大逆事件では多数が処刑されたが、後々の調査によるとほとんどが冤罪だったそうじゃ。

冤罪による処刑者の恨みや悲しみの念は、魂そのものはすでに救われてはいても、土地にこびりついて長年離れぬもの。よほどの強い怨念も400年経てば薄れ、あるいは消え去るものであるが、明治からはまだ100年しか経っておらぬゆえ、怨念はまだ健在であろう。

土地の因縁は不思議なもので、怨念が最も強くこびりつき、浮かばれぬ者が彷徨うのは実際に処刑台があった場所や変死があった場所とは限らぬ。それらの「溜まり場」は少し離れたところにできることもあり、多くは周囲より低い土地や神社仏閣の裏手、水分を多く含む土地や、そもそも霊道が通っている場所、その交差する場所や以前にも話した「魔界の入り口」がぽっかりと空いている場所などなのじゃ。

今回の事件が起きたマンションはその溜まり場となる要素のうち3つほど重なっているゆえ、以前は複数の変死事件が起き、建て替え後も同じような状況となっておる。

当然のことながら、このような場所には一般人は住まぬにこしたことはなく、相応の霊的な守りがあればまず縁が生じることはない。