科学的な観点から見る「相性診断」の最先端2

科学的な観点から見る「相性診断」の最先端2

前回の「科学的な観点から見る「相性診断」の最先端1」においては、四柱推命やホロスコープにおける「相性」とは、どういったものであるのか、その概念についてお話ししました。

前回の記事では、相性が良い状態とは、エネルギーの流れがスムーズに行われる関係性であることが、第一であるということを書きました。

今回は、相性がいい、エネルギーの流れがスムーズに行われる関係性とは、どのような場合を指すのか、具体的なホロスコープや四柱推命の見方についてお話しします。

それにはまず、ホロスコープと四柱推命における、「エネルギーの流れがスムーズに行われる関係性」についてお話ししましょう。

■ホロスコープにおける「良い関係」とは

ホロスコープにおける、エネルギーの流れがスムーズに行われる関係性というのは、天体と天体が60度の関係性になる「セクスタイル」、120度の関係性になる「トライン」を指します。これらのことを総称して「ソフトアスペクト」と言います。

逆に、エネルギーの流れが阻害される関係性は、90度の関係性になる「スクエア」と、180度の関係性になる「オポジション」になります。これらのことを総称して「ハードアスペクト」と言います。(ちなみに、0度(コンジャンクション)はソフトアスペクトとハードアスペクト両方の要素を持っている吉凶混合の角度です。)

さて、このソフトアスペクトとハードアスペクトを論じる際に、そもそもなぜこの角度がエネルギーのスムーズな流れをもたらす(あるいは阻害する)角度になるのかについて、科学的な見地からお話ししていきましょう。

占いは解明されていないだけの科学であるということは、これまでの記事でも幾度か触れてきました。そもそもホロスコープや四柱推命は統計学なのですから、それだけでも立派な科学なのですが、占いが「うさんくさいもの」として捉えられるようになり、また科学的な方向に進む人は概してリアリストで占い等に興味がない人が多いので、せっかく科学が進んで天体の動きと統計学上の結果を照らし合わせることができるようになってきても、誰もその見地から研究を進めようとはしないわけです。

しかし、宇宙についての知識とホロスコープの知識の両方を勉強すればするほど、この二つにはきちんとした因果関係があるのだということが分かります。
その一つがこの、ソフトアスペクトとハードアスペクトの関係性についてです。

■ホロスコープには科学的根拠がある

ホロスコープを少しでも勉強したことがある方は、ソフトアスペクトが60度や120度、ハードアスペクトが90度や180度ということは知っていると思いますが、それがなぜそうなのかということまでは考えたことがないのではないでしょうか。
これには、太陽系自体のエネルギーの流れがちゃんと根拠として存在しています。

ホロスコープは天体同士のエネルギーの関係性によって占うものであること(四柱推命はこれを独自の解釈と表現によって言い換えたものに過ぎません)は確かなのに、そのエネルギーの関係性の違いがなぜ生じているのかについては、占術家の方々は触れないのですね。これは占いを科学的に見てもらうためにはとてももったいないことだと思います。

さて、それではなぜ、ホロスコープにおいては、吉角度とされるソフトアスペクトが60度や120度で、凶角度とされるハードアスペクトが90度や180度なのか。これは「ラグランジュ点」という、天文学上の関係性によるものです。

宇宙空間は何もないように見えますが、あらゆる空間が天体からの重力の影響を受けています。とても滑りやすい氷の上に、あちこちに大小様々な強力な磁石が置いてあるようなものだと思ってください。磁石同士は互いに影響しあい、ある天体に対してはたらく、周囲からのあらゆる引っ張る力同士がちょうど釣り合う場所でその天体は落ち着くことになります。

太陽系の場合、太陽からの重力と太陽系以外の別の恒星からの重力、惑星自身の重力がそれぞれ釣り合って落ち着いた結果が、現在の太陽系の惑星の公転軌道ということになります。惑星が恒星の周りを回転しているのは、回転すると遠心力がはたらくため少々の外的な力が生じても釣り合いが取れやすくなるため、結果的に回転する形で落ち着きやすいからです。

バケツを単に手に持っている時とバケツをぐるぐると振り回して安定している時、手を重力として考えると、その手に外部からの攻撃が加わった場合、回転している時であれば少しくらいの力は弾き返すことができますが、回転していないと少しの力で押し負けてしまいます。ちょうどこのようなことが、惑星にはたらく外力にも言えるのです。

このように、天体同士は常に運動力学の影響を受けているわけですが、前述のラグランジュ点とは、天体力学において、天体と天体の重力の影響の釣り合いが取れる、「宇宙の中でその場所に物体があるとその物体が安定してその場所にいることができるポイント」のことです。

次回はこの、ラグランジュ点についてお話しすることで、「ホロスコープにおける相性」を科学的に読み説いていきましょう。