恋愛傾向を見る四大小惑星と自分のトラウマが分かるキロン

恋愛傾向を見る四大小惑星と自分のトラウマが分かるキロン

前回の「人生のあり方と適職を決定するカルミネート天体2」では、冥王星がカルミネート天体だった場合の適性と適職、ホロスコープにおける小惑星の存在についてお話ししました。

今回は、小惑星についてもう少し詳しく触れると共に、小惑星の中でも特に重要視されるキロンがカルミネートしている場合の適性と適職についてお話ししましょう。

ホロスコープを読む上で、最も重要視される天体はもちろん太陽、月、その他の惑星と冥王星の10天体です。

しかし、そもそもホロスコープというものは、太陽系に存在する星の相互に干渉しあうエネルギーが、特定のエネルギーを持つ人間に影響を及ぼす作用を読むものです。ですから惑星ほどではないものの質量を持つ小惑星も当然干渉してきます。

特に重要な小惑星として、火星と木星の間にで太陽の周りを公転しているジュノー、ベスタ、セレス、パラスの四大小惑星、土星と天王星の間で公転しているキロンがあります。惑星にも言えますが、ホロスコープにおいて天体の作用は太陽から遠いものほど絶対的で、意思の力だけではどうにもならないほどの強いパワーでもって人生に作用します。

ですから太陽に近い四大小惑星よりも、太陽から遠いキロンの方が強い力を持っています。

■四大小惑星の特性

太陽系の天体のなかでも、月から火星までは個人の性質に深く関わる個人天体であり、木星と土星はその人の社会の関わり方を示す社会天体です。四大小惑星は個人天体と社会天体の間に位置するものであり、「個人」と「社会」の間を繋ぐものとして位置付けられています。

そしてこれらは全て女神の名前を冠しています。四大小惑星は人が社会参加する上で必要なものを示すものであり、火星の男性性を社会で使っていくために橋渡しをしてくれる女性性を示すものと言われています。それだけに恋愛や性的なことと深い関わりを持っており、その人の恋愛傾向を示したりもします。

これらの四大小惑星が先程言った個人天体にタイトな角度でコンジャンクションしたり、メジャーアスペクトを形成していたりすると、特にその影響は強くなります。

それでは、それぞれの小惑星の持つ特性を見ていきましょう。

セレス:準惑星の1つで、小惑星の中では最大の天体です。母性愛や生育、献身的な愛、妊娠などを意味します。

パラス:男性性と女性性の調和、ジェンダーレス傾向、中性的、友情的恋愛、無邪気な恋などを意味します。

ジュノー:ジュノーは結婚、パートナーシップ、権利の主張を示します。正妻の星とも言われます。夫婦になる上で、相手に対して自分の権利を主張しながらパートナーシップをはぐくむことが求められますが、この星はそうした主体的なパートナーシップの星だと言えます。

ベスタ: 主として家庭生活における中心的な仕事に対する使命感、義務感、禁欲的な自己犠牲の態度などを示します。

また、これら四大小惑星よりもずいぶん後になって発見され、近年占星術の世界で四大小惑星以上に重要視されるようになった小惑星にキロンがありますが、キロンは社会天体の外側である土星とトランスサタニアンの最も内側である天王星の間を通るので、社会のエネルギーと宇宙のエネルギーをつなぐものとして考えられています。

■トラウマのありかと乗り越えるべき課題を示すキロン

キロンの名前の由来は、ギリシャ神話のケンタウロス族の賢者、ケイローンです。ケイローンは毒によって生涯癒えない不治の病となりました。その病に苦しめられ続け、また癒し続けたことから、キロンは癒えない傷とその治療を示す星として位置づけられています。

その人にとっての癒えることのない傷、それによって苦しめられ続ける傷。つまりはトラウマであり、生育的に獲得してしまったどうにもならないコンプレックスがキロンが示すものの本質です。

■キロンがカルミネートしている場合の適職

このようなことから、キロンがカルミネート天体としてMCとコンジャンクションの関係にある場合、その人はカウンセラーやセラピストなど、人の心を癒す職業への適性があります。

ただし気を付けなければならないことは、キロンによって人の心を癒せるようになるためには、まずは自分の心の傷に向き合い癒す経過が必要であるということです。

ただ、トラウマというものは軽減はできても完全に癒えることはそうそうありませんから、キロンを使って人を救済する立場になる人は、誰かの心を癒すことによって自分自身も救われたような気持になるためにそうし続けていたり、被害者遺族の会の人たちのように自らの痛みを発信し同じような傷を持つ人々の共感を得ることによって、自分の傷をも癒そうとしていたりすることも多いようです。その発展形で、歌手や作家のような表現的活動を職業としている人も多く見られます。

自分自身の傷そのものが社会的到達点となるわけですから、その傷自体を誰かを癒すことのために使い、自分が経験した痛みによって誰かの心を治療していくことが、カルミネートがキロンの方の目指すべき方向性になります。