人生で迷った時に見るMCカルミネート天体2

人生で迷った時に見るMCカルミネート天体2

前回の「人生で迷った時に見るMCカルミネート天体1」では、第9ハウスに太陽が入室している場合の性格的な特性と第9ハウスと第10ハウスとの境界線であるMCラインについてご説明してきました。

今回は、このMCラインに近接した惑星である、カルミネート天体についてお話ししましょう。

カルミネート天体とは、先程も説明しましたとおり、ホロスコープ上の天頂であるMCに最も近い天体を示します。
最も、と書きましたが、ごく近くにいくつかの天体がある場合はどちらの天体もカルミネート天体と考えて良いでしょう。また人によっては、ホロスコープで最も高い位置にある天体がカルミネート天体であると解釈する人もいます。

いずれにせよその人の全天において高い位置で輝く星には代わりありませんから、どちらの解釈も採用してよいと思います。

MCは、ホロスコープにおいて最も高い点、天頂を指すものであり、その人にとっての「生きる上でのテーマ」でもあります。
その人が人生を通して目指す点がMCの領域であり、そのためその人の振る舞いや生き方そのものを支配するものでもあります。

ですからMCはその人の社会との関わり方そのものであり、その人を社会的な面から見たときに第三者が受ける印象として現れます。

例を挙げれば、仕事で成功することを人生における最大の目的として生きている人は、当然よく働きますから肩書きが伴います。その肩書きは周囲の人にしっかりした信用できる仕事をする人だという印象を与えるでしょう。

このように、その人が人生において一定のテーマに従って生きている限り、その人のイメージもまたそのテーマに沿うものになるということから、社会的印象としての役割を果たすのがMCであると言えます。

なお、MCには見目の良さも要素としては加わりますが、単純な容姿から受ける印象はアセンダントという別の要素によって見るものですので、MCが示すものとは異なります。
このMCとアセンダントについては、また別の機会にお話しすることとしましょう。

さて、話をカルミネート天体に戻しましょう。
先程お話ししたように、カルミネート天体はMCに一番近い天体であり、その人の人生のテーマを決める天体でもあります。
その人が「社会において何をするために生きていくか」という、ライフワークを司る天体なのです。カルミネート天体の司る領域に関して社会的に成功するために、人は人生を歩んでいくのです。

ただし気を付けなければならないことがあります。それは、カルミネート天体はあくまでも「社会的な到達点」を示すものであるということです。
どういうことかと言うと、それがその人の素ではないということです。誰しも多かれ少なかれ社会と関わるときには表の顔を持っているものですが、カルミネート天体が示すものはその表の顔の部分です。

例えばその人自信を表す太陽や月が真逆の位置にある場合は、本人としては望んでいない姿を社会に対して見せようとしていることが考えられます。
とはいえ、本人の気持ちがどうあれ外部からは表の顔しか見えませんから、第三者を占う際にはカルミネート天体のイメージをおおいに利用すると良いでしょう。

また逆に言うと、このカルミネート天体は、自分自身の人生を切り開くための武器としても使えるものです。このことについて少しお話ししましょう。

■カルミネート天体で知る伸ばすべき方向性

誰にでも、迷いというものは生じます。

カルミネート天体は、その人の天頂で最も強く輝く星というふうに考えてください。昔は船乗りたちが星を頼りに航海したように、カルミネート天体は、その人の人生の指針となる守り神であり水先案内人の役割を果たしてくれます。

なにかを行動したいと思ったときに、もしも迷ったら、カルミネート天体を思い出してみることです。

カルミネート天体は、その人にとっての人生の指針となる星です。社会との関わりのなかで、息を吸うように自然にその人ができることを示しますし、周囲からもその方向で評価されやすいのがカルミネート天体が司る事象です。
その人にとっての社会的方向性、目指すべき場所。占い師さんによっては人はカルミネート天体の表す事象を実現するために生まれてきていると言う人もいます。それくらい、自分の方向性を決める際には参考にすべき星です。

はじめの方で、カルミネート天体はMCに最も近い天体だけではくホロスコープにおいて最も高い位置にある天体を指すこともあると書きましたが、個人的には、MCに最も近い位置にある天体は、その方向性を意識して伸ばすと社会的評価を得られやすい天体であり、最も高い位置で輝く星はその人が社会との関わりのなかで最も自然にその場所を目指す天体であると考えるといいと思います。

ですから、意識的に伸ばすとなるとやはりMCに近い星を見ることが適切です。

次回はカルミネート天体と絡めつつ、第10ハウスの太陽について見ていきましょう。