人生で迷った時に見るMCとカルミネート天体1

人生で迷った時に見るMCとカルミネート天体1

前回の「あなたの生き方を決定づける天体とハウスとサイン」では、天体とハウス、サインの違いと、出生時刻が分かっていることが占いにおいていかに重要かについて見ていきました。

また、これまでも、出生時刻を推測するために、各ハウスに太陽が入室している場合の違いについて見ていきました。

ちなみに、前回の記事では触れませんでしたが、ホロスコープにおけるサインの潜在的な効果とハウスの現実的な効果という性質は、実は四柱推命にも共通した部分があります。
四柱推命においては、サインと同じく12個に分けられる地支が潜在的な性質とポテンシャルを、ハウスと同じく10個に分けられる天干が現実的な効果を示し、この二つの要素を組み合わせて占うことになります。

これまで繰り返し四柱推命とホロスコープの共通性についてお話ししてきましたが、ここでも同じ部分が見られるのです。

三角形の面積を求めるときに底辺×高さ÷2から求める算数的な方法と三角関数を用いて求める数学的な方法があるように、ホロスコープと四柱推命もまた、手法が違うだけで二つの占いは同じ結果を占うものということがここでも現れています。
二つの占いを組み合わせれば高い的中率で運勢を見ることができますので、皆さんも是非二つの占いを組み合わせて占ってみてくださいね。

さて、いよいよ、太陽が入室しているハウスの違いの続きについて見ていきましょう。前回までは第8ハウスまでを見ていきましたので、今回は第9ハウスについて見ていくこととしましょう。

<第9ハウスの意味と太陽>

太陽は、その人の社会的な側面そのものを示します。ハウスは活動場所ですから、ハウスの中での太陽は、その人の社会活動がどのような分野で発揮されるかを示すものです。
世の中とのかかわりかたそのものであり、その人自身の生き甲斐、ライフワーク、人生の基盤がどこに置かれるかということを示します。

第9ハウスは、知識や思想、探求のハウスです。知識と言っても第3ハウスが示す初等教育ではなく、法律などの高等教育、自分から学びに向かわなければ得られない専門的知識を示します。ただし、これは思想が絡む分野に限り、技能実習のような技術的な分野については第3ハウスの領域になります。
また、目に見えないもの、自分から見に行かなければ得られない情報ということで、海外のような遠くの場所を示すこともあります。

このハウスに太陽がある人は、一言で言ってしまえば思想家であり哲学者です。知的好奇心、知的探求心が旺盛で、思考していないと死ぬんじゃないかというくらいいつも何かを考えています。
未知の世界への探求心が人一倍あるため、海外留学や海外旅行、外資系企業に勤めるなど、何かと海外と関わりのある生活をしている可能性が高いでしょう。

第9ハウスは宗教、哲学のハウスですが、現代社会では宗教家や哲学者になるのはあまりにもハードルが高いというかそんなにイメージがよくないため、実質的に宗教、哲学の分野で適性が発揮されるということは滅多にありませんが、身近な分野や具体的な物事への関心が薄く、遠くの世界、抽象的な事象について考える傾向が強いので、人から受ける印象は実質的に哲学者や思想家っぽいイメージのものになるかもしれません。

旅をするように人生を歩むため、放浪癖があったり、ふらっと遠くへ旅行に行ったり、逆に自分自身の中に真理の探求を見出だし、瞑想や禅、ヨガ等に傾倒する可能性も高い人です。

<第9ハウスと第10ハウスの境界線について>

次に第10ハウスですが、第10ハウスの説明に入る前に、少し9ハウスと10ハウスの境界線についてのお話をしましょう。

ホロスコープにおいてハウスとハウスとの境界線をカスプと言いますが、第9ハウスと第10ハウスとの境界線の先端(円周上の点)のことをMCと言います。MCは天頂を示すものであり、このMCと円の反対側の点であるIC(天底)を繋いだものが、第9ハウスと第10ハウス、第3ハウスと第4ハウスをそれぞれ区切っています。

このMC―ICラインは子午線(ある地域において基準となる時刻)を示すものであり、ホロスコープのハウス同士を区切るカスプの中でも、最も重要なもののひとつとなっています。具体的には、MCが正午12時、ICが深夜0時を示します。単純に、MCの近くに太陽がある人はお昼に産まれ、ICの近くに太陽がある人は深夜に産まれたということになりますね。

MCは、その人の社会的な顔を示します。社会での振る舞い、職種や肩書など、容姿に関係ない部分で外から見たときに人からどのような印象を持たれるかという社会的外見です。この面からも、その人の出生時刻を推測することが可能です。

また、第10ハウスのカスプである「MC」に近い天体は、「カルミネート」と呼ばれます。これは第9ハウスでも第10ハウスでも、MCに最も近い天体のことを指します。
カルミネート天体は、その人の出生時のホロスコープを読み解く時には重要な役割を果たします。

次回はこの点も踏まえて説明していきましょう。