前回までの「人生のテーマが分かる！ホロスコープの太陽の位置での生き方の違い３」では、出生時刻を特定するための手助けとなる、太陽が入室しているハウスごとの特性について説明していきました。
ここで、なぜ四柱推命やホロスコープにおいて出生時刻が分かっていることが大切なのかについてお話しすることとしましょう。
世の中で目にするほとんどの12星座占いや動物占い等は、出生時刻を考えにいれずに読むことができるようにされています。しかし、これはあくまでも「そういう傾向にある場合が多い」という程度のものです。
出生時刻まで加味した占いの精度を一度味わえば、もう出生日までしか考慮にいれない占いは見ようとすら思わなくなるレベルで、出生時刻というのは四柱推命やホロスコープを用いた占いにおいて重要な要素になっています。
それではなぜ、そんなにも出生時刻が重要になるのでしょうか。
まず、ホロスコープの観点から説明しますと、ホロスコープでは、出生時刻によってチャートの見方が全く変わってきます。
ひとつは、ハウスが違います。ホロスコープのチャートは、主に天体とハウスとサインという三つの要素からなっています。
■天体、ハウス、サイン（星座）の役割の違い
＜天体はホロスコープ上の「強調記号」＞
天体は、言ってみれば強調記号です。文章上における強調記号にも、太字や「」や傍線など、様々なものがありますが、天体はホロスコープ上の強調記号のように、入室したハウスやサインの意味を強調し、フレーバーを加えます。
木星が入室すればそのハウスやサインの意味が一般によい方向に拡張されますし、土星が入室すればそのハウスやサインの意味する分野にプレッシャーを与えます。
天体には、出生時のものと現在運行中のものとがあります。出生時のものはその人のパーソナリティを決定付ける要素として働きます。
現在運行中のものは自我に対して影響してくる状況的、環境的な要素になります。
分かりやすく言えば、例えば土星は重圧の星ですが、出生時の土星はその人が生涯プレッシャーや責任感を抱く分野であり、運行の土星はその時々でその人がプレッシャーを感じる分野になります。
例えば、1ハウスに入室していた土星が2ハウスに移行した場合、自分らしく生きることに対して制限を受けていた人がそこからは脱したものの今度は金銭的に重圧を感じるようになる、といった具合です。
＜ハウスは現実での活動場所、サインは精神傾向＞
ハウスとサインは、どちらもホロスコープ上に割り振られた領域であり、一見して似たようなものに見えますが、それぞれに役割があります。ハウスはホロスコープを10に割った領域であり、その人の活動場所です。
サインはお馴染みの12星座であり、精神傾向を示します。サインは潜在的な要素であり、目に見えないものですが、ハウスは現実世界での実質的な要素として働きます。
例を挙げると、同じサインである牡羊座でも、1ハウスの牡羊座と2ハウスの牡羊座では性質の現れかたが異なります。
牡羊座は積極性や情熱を示すサインですが、1ハウスは自分自身のハウスであり、1ハウス牡羊座の人は自分らしく生きることに一生懸命になります。
これに対し、2ハウスは財産や所有物のハウスなので、2ハウス牡羊座の人は金銭や財産を獲得することに情熱を燃やします。
逆に、同じ1ハウスでも、牡牛座であれば自己の安全と快適な環境下での生活を追及します。このように、サインは性格的なものであり、ハウスはその性格がどの分野で発現するかを示すものです。
ですから、ハウスが分からないと、例えば牡羊座に太陽がある場合、人生をかけて猪突猛進に何かの分野に突き進む性質だということは分かりますが、それがどの分野についてなのかが分かりません。
恋愛にしても金運にしても、運勢の良し悪しだけは見ることができたとしても、それがどの分野で発揮されるのかを見ることができなくなってしまうのです。
これだと性格も運勢も充分占うことができませんよね。これほど重要なハウスですが、ハウスは出生時刻が2時間ずれるごとに1ハウスずれていってしまいます。
だからこそ、占う上で出生時刻が重要になってくるのです。正直出生時刻が分からないと、的中率は5、6割程度といったところでしょうか。それだと心理学的に誰にでも当てはまるようなことを含めて当たっていると思わせる手法と変わらなくなってしまいますから、あまり占う意味がないんですね。
しかし逆に言えば、例えば牡羊座に火星や太陽、木星などのブースト効果のある天体が入っていれば、その人が猪突猛進に突き進む分野を見ることで出生時刻を推測することができます。特に太陽はその人の社会的な顔を示す星ですので、他人からでもハウスの位置が推測しやすいのです。
このように、出生時刻は占いをする上で、その人の性格自体を決定付けるために必要な要素になります。次回は再び、各ハウスに太陽が入室している場合の違いについて見ていきましょう。
close