海苔は私達の食卓にもよく登場する、海藻類を代表する食材の一つです。
海藻類と言えば、栄養素が豊富で、積極的に食べることをオススメされていることが多い食材ですが、では、本当に海苔はヘルシーなのか、また、1日にどれくらい摂取すればいいのか等、意外と知らない海苔の詳細についてご紹介します。
〇海苔のカロリー
まずは、一般的に販売されている海苔のカロリーをご紹介します。
*海苔のカロリー一覧
食材名 | 重さ(g) | カロリー(kcal) |
---|---|---|
焼き海苔(19cm×21cm) | 3 | 6 |
焼き海苔(1/8枚。おにぎり等で使用するサイズ) | 0.4 | 0.8 |
味付け海苔(1/8枚) | 0.4 | 0.7 |
韓国海苔(1/8枚) | 0.4 | 2.3 |
海苔の佃煮(箸1回分) | 4 | 3 |
ご覧のように、カロリーはとても低く、標準サイズ(手巻き寿司に巻くサイズ)の海苔を10枚食べても60kcalにしかならないので、カロリーの面に関してはイメージ通り、とても低カロリーな食材であることが分かります。
ただし後述しますが、加工された海苔を食べる時には注意が必要になります。
〇海苔の栄養素
続いて、海苔の栄養素を見てみましょう。
*成人女性が1日に摂取する栄養に対する割合
栄養素 | *1日で摂取する量に対する割合(%) |
---|---|
ビタミンB12 | 72 |
葉酸 | 24 |
ビタミンK | 18 |
レチノール当量 | 12 |
食物繊維総量 | 6 |
ビタミンC | 6 |
ビタミンB2 | 6 |
(引用元:「グラムのわかる写真館」より)
上記の表は、焼き海苔を3g摂取した場合に、どれだけの栄養価がまかなえるかについて表示したものです。このように標準サイズの焼き海苔を1枚食べただけで、これだけの栄養素を摂取することができます。
海苔で特に注目すべき栄養素は、ビタミンB12と葉酸!
ビタミンB12と葉酸は、赤血球や細胞の生産を助ける重要な栄養素で、特に妊婦の方は葉酸を積極的に摂取することで、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを減らすことができることで知られています。
しかし、サプリメント等で葉酸ばかり摂取していると、ビタミンB12とのバランスが崩れてしまい、かえって重篤な障害を引き起こしてしまう可能性があります。
妊婦の方にオススメされている摂取量は、焼き海苔8枚分と言われています。ビタミンB12は肉類やレバーからも摂取できるので、合わせて食べると効果的です。
〇焼き海苔ではなく、味付け海苔や韓国海苔でも問題ない?
焼き海苔は海苔本来の素材そのものですが、更に美味しく食べれるように味付けされたものが、味付け海苔や韓国海苔となります。食べやすさで言えば焼き海苔より上ですが、果たして焼き海苔と同じ感覚で摂取しても大丈夫でしょうか。
味付け海苔の場合
よく袋に5枚入りで入っている味付け海苔ですが、食べてみると意外と塩気を感じ、実は知らず知らず塩分を摂取しているのではないかと思ってしまいます。
しかし、実はあの袋入りの海苔を全て摂取しても、食塩相当にして0.06gにしかなりません。
高血圧の方が実践している減塩療法では、1食辺り2gという上限となっているので、ほとんど気にするレベルでは無いことが分かります。
ただ25枚食べると、食塩1gに相当するレベルになりますので、毎日3食食べるのは控えたほうがよいです。(特に高血圧の方や妊婦の方)
韓国海苔の場合
韓国海苔は、言ってみれば一つの料理だと考えてください。
ごま油でコーティングしてある上、更に塩分を効かせているので、酒の肴やおかずとしては良いのですが、健康面で考えると、過剰摂取を控えたほうがいい部類に入ります。
メーカーにもよりますが、1袋5枚入りのものだと、食塩相当量0.2g、脂質1.0gと、これまでの海苔の概念が崩れます。
更に、韓国海苔は美味しく味付けされているので、焼き海苔よりも多く食べてしまいがちです。
特に高血圧や妊婦の方は、海苔はできるだけ焼き海苔を選び、どうしても味に飽きてしまったら、たまに味付け海苔を食べる位の気持ちで。韓国海苔はできるだけ避けたほうが無難です。
海苔の佃煮の場合
更に気をつけなければならないのが、海苔の佃煮です。言わばご飯のお供として加工された食材なので、名前の通りご飯が進むよう、かなり強めの味付けがされています。
箸の先1回分を4gとすると、これだけでも塩分相当量は約1.6gと、高血圧の人の減塩制限上限値に到達する勢いです。
塩分摂取量を制限している方は特に避けて欲しい食材で、お年寄りや妊婦さん以外の方も、一度に大量に摂取するのは控えておきましょう。
〇まとめ
海苔は我々のイメージ通り、低カロリーで栄養豊富な食材なので、1日1枚でも食べておくことをオススメする食材です。
ただし、ご飯が進むように味付けされた味付け海苔・韓国海苔・海苔の佃煮等は、もし減塩制限がかかっている方はなるだけ避け、焼き海苔を味わうようにしましょう。
その他の方々も、「海苔は栄養満点だし低カロリーだから、たくさん食べても大丈夫」と思い込まず、ある程度節度をもった分量を摂取するよう心がけましょう。