前回の「職業運・男性運を傷つける「傷官運」をホロスコープで見る方法１」では、傷官星に関わる4つの星の特徴についてお話ししました。
今回は、傷官星が傷つける「官星」についてお話しします。
官星が示す福を傷つけるのが傷官ですから、官星の特徴を知ることで、傷官運の時にどのような面でよくないことが起きるのかを見ることができます。
■傷官星が傷つける「官星」とは
官星は、偏官・正官のことを指します。
偏官は、日干を尅す五行のうち、陰陽が日干と同じものであり、具体的には、日干が甲の場合の庚、日干が乙の場合の辛、日干が丙の場合の壬、日干が丁の場合の癸、日干が戊の場合の甲、日干が己の場合の乙、日干が庚の場合の丙、日干が辛の場合の丁、日干が壬の場合の戊、日干が癸の場合の己の、十種類の関係のことを言います。
正官は、日干を尅す五行のうち、陰陽が日干と反対のものを言います。
具体的には、日干が甲の場合の辛、日干が乙の場合の庚、日干が丙の場合の癸、日干が丁の場合の壬、日干が戊の場合の乙、日干が己の場合の甲、日干が庚の場合の丁、日干が辛の場合の丙、日干が壬の場合の己、日干が癸の場合の戊の、十種類の関係のことを言います。
偏官も正官も社会的地位や官職を意味する出世や仕事の星ですが、偏官はエネルギッシュで活動的、直情的です。この星が強い人は、精力的に仕事をする傾向にありますが、剋としては強い剋になるため、場合によってはその効果が強すぎる傾向にあります。
つまり、仕事に対して情熱的、ストイックになるあまり、周囲から浮いてしまったり、他者に対して厳しくなりすぎたりするのです。
私の知っている人で、この偏官が強い命式の人がいますが、少しでも仕事に対して愚痴を言うと、「そんな程度の愚痴が許されるような会社がよく存続していけるね」などと辛辣な答えが返ってきます。自分の会社にいるいわゆる仕事ができない社員に対しては、「あの人どこかおかしいんだと思う」というばっさり切り捨てるような発言をします。
自分に対してもストイックですが、他人に対しても同じレベルでの仕事の仕方を求めてしまうのです。職人気質、個人事業主的、ベンチャー企業の社長気質、ストイックに仕事をすることが求められる企業や集団の管理職向き、といった性質があります。
また、この星は男性にとっては子供、女性にとっては夫や恋人を示す星です。
偏官が強い男性は子宝に恵まれ、優秀な子供からの助けを受けられます。女性で偏官が良い状態にある人は、夫や恋人が発展する運気にあります。また、この星を持つ女性はモテやすい傾向にあります。命式の状態によっては本人が男性を遠ざけてしまう性格という可能性もありますが、男性受け自体は基本的に良い傾向にあります。
偏官が強い人は、エネルギッシュに活動し、行動力も責任感も強いのが長所ではありますが、やや単細胞な部分があるため、頭で考えて行動する癖を身に付けることが課題です。
面倒見もいいので、物事を大局的に見て、周りの意見を聞き入れて行動する偏官星持ちの人は、周囲から頼りにされ、リーダーシップを発揮します。
これに対して正官は、四柱推命中最も品位の高い星です。
真面目で責任感があり、気品があり、温厚で頭がよく、正攻法で問題に取り組む実務能力の高い人です。社会的貢献が生きがいで、誰かのために仕事をすることに喜びを見出す性格ですから、多くの場合実力に見合った役職や上からの信頼を手にします。
やや融通が利かない部分もありますが、礼儀正しく、目上の人を立て、実直に仕事をする責任感の強さから、目上の人からは可愛がられる傾向にあります。プライドは高いのですが、縦社会への適合性が高く、上から見れば自分をよく立ててくれる右腕的な存在なので、多少生意気な口をきいても上司からは面白いやつだと受け入れられる得な性格です。
安定志向が高く、柔軟性に乏しいため、冒険ができない性格です。発想の転換や機転を利かせることが求められる仕事には向きません。ルーチンワークであれば、その仕事をより良いものにしていく気概はあるので力を発揮します。事務作業を正官が強い人に任せれば、効率化を進めてくれ、周囲の負担を軽くしてくれるでしょう。
正官は家督の意味がありますから、長男・長女の生まれの人や、親の面倒を見ることに対する責任感が強い星でもあります。
しかし、プライドが高く、肩書にこだわる傾向が強いため、交際相手にもそれなりの肩書や家柄、知性を求めます。女性の場合、正官星持ちは星の状態が悪くない限りは基本的にモテるので、あまり心配することはないでしょう。
ただし、偏官と正官は、命式中に同時に存在するのを嫌がります。もし偏官と正官が同じ柱にあれば、官雑混雑といってあまり良くない影響を及ぼします。
さて、官星の特徴については理解できたでしょうか。
それでは、前回の「職業運・男性運を傷つける「傷官運」をホロスコープで見る方法１」で触れた傷官星にかかわりの深い星同士の関係性のうち、海王星、月、天王星、土星に関わるアスペクトについて詳細に見ていきましょう。
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