海王星で見る精神的に不安定になりやすい時期2(ページ2)

海王星で見る精神的に不安定になりやすい時期2
前回の「海王星で見る精神的に不安定になりやすい時期1」では、では、出生の海王星と運行の太陽、または出生の太陽と運行の海王星がアスペクトを取る場合の影響について書いていきました。

出生図でのアスペクトは、本人の性格や生まれもった運などに影響します。
出生の惑星と運行の惑星のアスペクトの場合は、それが一時的に生じると考えれば良いでしょう。

例えるならば「性格のきつい人」と「最近イライラする」、「性格に浮き沈みのある人」と「最近気持ちが落ち着かない」の違いです。
星の動きを読むことで自分の精神状態が分かり、あらかじめ気を付けて行動することができるのです。
海王星で見る精神的に不安定になりやすい時期2
海王星は、感情や感覚、イマジネーションを司る星です。
慈善や奉仕も表すことから、犠牲の星とも呼ばれます。
生まれつき海王星が太陽や月、木星以遠の惑星とアスペクトを取っている場合、木星とのソフトアスペクトを除いて精神的気重圧がかかることが多くあります。
出生の惑星または海王星と運行の海王星または惑星がアスペクトを取る場合は、それが一時的に現れることになりますが、海王星は公転周期が160年と非常に長いため、出生の惑星に運行の海王星がアスペクトを取る場合は、その影響が少なくとも5、6年は続くことになります。
ただ、最も強い影響が5、6年になるので、弱い影響は更に長い間続くことになります。
個人的な体感としては、10年くらいは影響があると見て良いと思います。

私自身、海王星が太陽とコンジャンクションしていた時期は、今思うとなぜあんなふらふらしていたのだろう…と思うくらい不安定な状態にありました。
特に女性の場合、太陽は男性を表すので異性関係が落ち着かなかったり男性に騙されやすい時期になりがちです。
大抵の惑星は自分を成長させてくれるものなのですが、海王星の影響については制御するための理性が混乱してしまうため制御自体が難しいものになります。

お酒を飲むようなものであまり身になる訳でもないので、海王星の影響については基本的に過ぎ去るのを待つしかないような状態になりますが、あまりにも不安定さが強いと病気になってしまいますので、カウンセリングに類するものは積極的に受けるようにした方が良いでしょう。

■海王星と月の性質の違いについて

■海王星と月の性質の違いについて

さて、そんな海王星の象意について考えるとき、月の類似性に気づく方もいらっしゃるのではないでしょうか。
月も海王星と同じく、感情を支配する星です。タロットの「月」は非常に海王星と性質が近く、精神病を示す場合もあります。
イメージ的にも月にはアンニュイなものがありますね。
ただ、ホロスコープにおける月は、タロットの月ほど病的なイメージはありません。

それでは、海王星と月には、どういった違いがあるのでしょうか。

■海王星と月の性質の違いについて-2

ホロスコープにおける月は、感情、内面、プライベートの部分、女性的な部分や家庭を示します。
月がアスペクトをとる時の作用は、太陽の効果に似ていますが、太陽は自分自身の社会的な面、月は内面世界を表します。素の部分、と言った方が分かりやすいかもしれません。
月が体調に左右されるような単純な気分や機嫌といった精神活動を示すのに対して、海王星は想像力から来る感情や妄想、夢などを表します。例えば誰かからイヤなめにあわされたとして、されたイヤなことに対して単純に辛いと思うのが月の働き、あの人にイヤなめにあわされたからこれからももっとひどいことをされるかもしれない……などとあれこれ起こってもいないことを想像して気を揉んでしまうのは海王星の働きです。逆に、いいことがあって心が安らぐのは月の働き、心が安らいでいるからたくさん楽しいことを考え始めるのは海王星の働きです。月が現在形の受動的な心の動きを示すのに対して、海王星は将来への展望から来る自発的な精神活動と言えるでしょう。

■海王星と月の性質の違いについて-3

良い夢であれ悪い夢であれ、夢を見るのが海王星の役割です。
ですから海王星がのびのびとできる惑星配置の時には、その人のイマジネーションが増幅され、創作分野で活躍できたりします。
月が良い配置にあるときは、単純に精神状態が良く、自然と体調もよくなります。
逆に、海王星が悪い惑星配置の中にあれば、その時期は現実との折り合いがつかずに夢を見ることができなくなったり、悪い方向に夢が膨らんでしまって新興宗教やマルチ商法にのめり込んだり、ろくでもない異性に心奪われて生活がめちゃくちゃになったりするようなことがあります。
一方、月が他の惑星とよくない配置になった場合は、体調不良で風邪を引いたり、思い通りにいかずにイライラしたりしがちです。

このように、海王星と月は、同じ精神的な分野を表すものでも少々性質が異なります。
ただし、出生図の月は出生時刻がある程度正確に分かっていなければ読むことができません。
運行の月も移動するのが早いため、影響はせいぜい1日前後になります。

さて、次回は、これらのことを踏まえて、海王星と月が形成するアスペクトについて見ていきましょう。