四柱推命における五行のバランスの見方について1

四柱推命における五行のバランスの見方について1

四柱推命における五行のバランスの見方について1

前回の「四柱推命での吉凶判断の基本~命式の季節である蔵干について~2」においては、命式の力量を決める天干の地支への通根についてお話ししました。

今回は、どの干がどの地支に通根・透干できるのかについてご説明します。

 

■各地支と通根・透干できる干

天干は地支の中の蔵干に通根します。しかし、蔵干も季節や蔵干同士の関係性により通根できない場合があります。それらも加味した上で、各地支が通根でできる干は具体的には以下のようになります。(ただし、これには諸説ありますので流派によって違いがあります。)

子(蔵干は壬と癸):通根、透干できる天干は壬、癸。
丑(蔵干は癸と辛と己):通根、透干できる天干は壬、癸、庚、辛、戊、己。
寅(蔵干は戊と乙と甲):通根、透干できる天干は甲、乙、丙。
卯(蔵干は甲と乙):通根、透干できる天干は甲、乙。
辰(蔵干は癸と乙と戊):通根、透干できる天干は壬、癸、甲、乙、戊、己。
巳(蔵干は戊と庚と丙):通根、透干できる天干は丙、丁、戊、己。
午(蔵干は丙と己と丁):通根、透干できる天干は丙、丁、戊、己。
未(蔵干は丁と乙と己):通根、透干できる天干は丙、丁、戊、己、甲、乙。
申(蔵干は戊と壬と庚):通根、透干できる天干は庚、辛、壬、癸。
酉(蔵干は庚と辛):通根、透干できる天干は庚、辛。
戌(蔵干は辛と丁と戊):通根、透干できる天干は丙、丁、戊、己。
亥(蔵干は戊と甲と壬):通根、透干できる天干は壬、癸、甲、乙。

 

例を示しましょう。例えば、命式を出した時、以下のようになったとします。

年柱:庚申
月柱:己丑
日柱:壬子
時柱:乙巳

これについて、上記の表に照らし合わせ、申、丑、子、午のそれぞれについてどの干と通根しているかを見ると、以下のようになります。

年柱:庚申 申が透干できる天干は命式中、年干の庚と日干の壬。
月柱:己丑 丑が透干できる天干は命式中、年干の庚と月干の己と日干の壬。
日柱:壬子 子が透干できる天干は命式中、日干の壬。
時柱:乙巳 巳が透干できる天干は命式中、月干の己。

 

これをもとに各干の根の数を見ると、庚が2つ、己が2つ、壬が3つ、乙が0、ということになります。
更に、各柱の地支の蔵干を示すと、次のようになります。
(なお、自分の蔵干については、「マニアック運命式作成」や、「歴と占いの部屋」などで、自分の命式を出してご確認ください。)

年柱:庚申 蔵干は庚
月柱:己丑 蔵干は己
日柱:壬子 蔵干は癸
時柱:乙巳 蔵干は丙

ここで、五行について思い出してみましょう。(詳しくは「「四柱推命での吉凶判断の基本~五行の強さで先天運を見る~」」をご覧ください。)

■命式中の五行の構成を見極める

■命式中の五行の構成を見極める

十干のうち、木は甲・乙、火は丙・丁、土は戊・己、金は庚・辛、水は壬・癸になります。地支の五行は十二支自体が持っている気(十二支のうち、木は寅と卯、火は午と巳、土は丑、辰、未、戌、金は申と酉、水は子と亥)について見る方法もありますが、ここでは蔵干を主に採用して考えるため、この命式の五行バランスは以下のようになります。

年柱:庚申 蔵干は庚 …天干は金、地支は金(蔵干が金)
月柱:己丑 蔵干は己 …天干は土、地支は土(蔵干が土)
日柱:壬子 蔵干は癸 …天干は水、地支は水(蔵干が水)
時柱:乙巳 蔵干は丙 …天干は木、地支は火(蔵干が火)

つまり、金が2つ、土が2つ、水が2つ、木が1つ、火が1つ、というバランスです。五行すべてが揃っており、どの五行も1つか2つにとどまっているので、一見バランスが良い部類に見えます。しかし、ここに通根の考え方をプラスすると話は変わってきます。

 

先ほど、庚が2つ、己が2つ、壬が3つ、乙が0の根を持っているということを言いました。その根を命式に反映すると以下のようになります。今回は、先ほど分かった五行を天干と地支に置き換えて表示してみます。

年柱:金金(根が2つ)
月柱:土土(根が2つ)
日柱:水水(根が3つ)
時柱:木火(根が0)

こうして見ると、日柱の水が強く、時柱の木は弱いことが分かります。また、時柱の火は地支ですので、大運や年運で火の天干がめぐってこない限りは強い力を発揮することができません。
更に、丑は日干の壬にも通根することができます。日干の水は日支に通根した上、月令を得ているのです。これにより、一見五行が揃ったバランスの良いこの命式は、木と火が弱く、水がとても強い命式であるということが分かります。

 

つまり、水が強まる時期か、水を強める作用をする金の気が強まる時期が、この命式の持ち主にとっての困難期ということになります。
また、更にワンランク上の見方をすると、水の隣の土に注目することになります。土は水を抑えてくれます。(この場合は海や大河である壬と田んぼの土である己の組み合わせなので抑える力はそこまで強くありませんが、根を持つ土なのでないよりはかなりマシです。十干の組み合わせによる効果については、また別の機会にお話しします。)ですから、土が弱まる時期もよくありません。

 

次回は、こういった五行の関係についてのお話をしていきましょう。