あなたの人生がシビアになる時期~ハウスごとのサターンリターンの出方~4

あなたの人生がシビアになる時期~ハウスごとのサターンリターンの出方~4

前回の「あなたの人生がシビアになる時期~ハウスごとのサターンリターンの出方~3」では、サターンリターンが第4ハウスと第5ハウスで起こった場合の象意の出方についてお話ししました。
今回は、第6ハウス以降でサターンリターンが起こった場合の事象について見ていきましょう。

さてここで、ハウスによって起こる事象の見方について、一つのコツをお伝えします。

前回はハウス=人間の人生の段階であることを簡単に説明しましたが、ハウスはその位置している場所にも意味を持っています。

あなたの人生がシビアになる時期~ハウスごとのサターンリターンの出方~4

例えば、自分自身を示す第1ハウスは、人間関係を示す第7ハウスの対極に位置しています。
自分と対になるもの、それでいて逆の概念と言えば「他人」ですね。

また、自分の所有物を示す第2ハウスは、遺産や結婚生活を示す第8ハウスと対極にあります。
遺産とは、親から譲り受けるものであり、自分が持っているものとは逆の概念です。また、他者との共同生活の中で自分の所有物を他者と共有することになる結婚生活という概念も、第2室の象意とは逆のものを示すことになります。

同じように、初等教育を示す第3ハウスは、高等教育を示す第9ハウスと、家庭のありかたを示す第4ハウスは社会におけるその人のありかたを示す第10ハウスと、個人の娯楽を示す第5ハウスは、周囲との喜びの共有を示す第11ハウスと、労働や奉仕など現実世界での活動を示す第6ハウスは、潜在意識や精神世界を示す第12ハウスと対極に位置します。

対極にあるハウス同士は、このように共通項を持ちつつも、対極ですから当たり前ですが180度の関係にあたるため、なかなか相容れない性質を持っています。

あるハウスが発展・増大すればその対極にあるハウスがストレスを受けます。このことについては、別の機会にもう少し分かりやすく例を挙げてご説明しましょう。

 

さていよいよ、第6ハウス、第7ハウスでサターンリターンが起こった場合の事象について見ていきます。

■土星が入室したハウスとサターンリターンの現れ方~第6ハウスから第7ハウス~

<土星が第6ハウスに位置している場合>

■土星が入室したハウスとサターンリターンの現れ方~第6ハウスから第7ハウス~

第6ハウスは勤労や奉仕のハウスになります。このハウスに土星がある人は、仕事や「誰かの役に立つこと」に対して、人一倍の義務感を背負うことになります。土星は6室のような実直さや真面目さを求められるハウスとは相性のいい惑星ですが、それが行き過ぎると仕事のしすぎやそれによる体調不良につながります。特に6室は肉体の状態を示すハウスでもあるため、このハウスに土星が入っている人は基本的にあまり体が丈夫ではありません。ただ、逆に子供のころからそうなので、人よりも体調に気を使うようになることもあります。

そんな第6ハウスでサターンリターンが起こった場合、仕事に対する義務感が異様に高まる時期になります。ワーカーホリックのようになる人もいますし、ダブルワークのようなことを始める人もいます。とにかく働いていないと気が済まないようになるイメージです。しかし、結果的に体を壊す原因となりやすいので、注意が必要でもあります。

 

<土星が第7ハウスに位置している場合>

■土星が入室したハウスとサターンリターンの現れ方~第6ハウスから第7ハウス~-2

第7ハウスは人間関係のハウスです。自分自身を示す第1ハウスと対になるハウスであり、人生を構築する上での協力者を主に示します。人ではなく国の運勢を見る社会占星術では同盟国や貿易相手を示すハウスと言えば、それを個人に落とし込んだ形としてイメージしやすくなるでしょうか。

単純な友人関係というよりは、お互いの欠けている部分を補い合える関係性を示しますので、結婚相手を選ぶための前段階での恋人関係や友人関係、仕事上の協力者や援助者、場合によっては近所づきあいや、その他所属している団体における人間関係を示すものです。

第7ハウスに土星が入っている人は、人間関係に制限がかかります。人付き合いに関して慎重で、また自分と密接に関わる人を人生において非常に重要視するため、相手に依存しやすい傾向にあります。それだけ相手に対する期待が高いのです。そのため他者に対して不満を持ちやすく、自分の思う関係性を構築できないことに対して強いストレスを感じます。他人の行動に寛容になるためには他人に対して期待しないこと、ある程度無関心でいることが大切ですが、7ハウス土星の人にとってはそれが難しいのです。

結婚生活も制限の多いものになる傾向がありますが、相手に指示されたことを忠実に実行することを好むため、意外とうまくいくケースもあります。

そんな第7ハウスでサターンリターンが起こった場合、他人に対する寛容度がいつにも増してなくなります。恋人に対して結婚を迫りたくなる人もいるでしょう。それまでなあなあで済ますことができたことが許せなくなり、締め付けを強くするあまり人間関係に不具合が生じることが考えられます。

 

次回は第8ハウス以降の意味について見ていきましょう。