前回の「土星でわかるあなたのストレス耐性と困難時期３」までは、土星と月が絡んだ場合の性格や運勢について見ていきました。
さて、土星にはサターンリターンというものがあります。
これは、生まれたときの土星の位置に、約３０年かけて運行の土星が戻ってくるときのことを言います。
この時の感覚はなかなか口では言い表しにくいのですが、強いて言えば「義務に対するどうしようもない焦燥を感じる」と言ったところでしょうか。
サターンリターンの対になるものとしてジュピターリターンがありますが、ジュピターリターンがもたらすものが幸運の拡大だとすれば、サターンリターンがもたらすものは抑圧に対する試練です。
なお、ジュピターリターンについては、以下の記事を参照してください。
土星が試練の星であるのに対し、木星は幸運の星です。
是非あなた自身の幸運期も知って、人生に生かしていってください。
「あなたの人生の大幸運期～ジュピターリターンを人生に生かしましょう～１」
（１では、ジュピターリターンとは何かについて説明しています）
「あなたの人生の大幸運期～ジュピターリターンを人生に生かしましょう～２」
（２では、ジュピターリターンの起こる時期について説明しています）
（同じく３から５までは、ジュピターリターンが起こるハウスによる事象の違いについて説明しています）
３：第１ハウスから第２ハウス
■サターンリターンの人生における意味
さて、話をサターンリターンに戻しますが、サターンリターンがもたらすものは、普段その人が、本当はやらなければならないと思っていてもおざなりにしていることに対して、重圧をかけてきます。
なにがきっかけになるかはその人次第ではありますが、とにかく何かをきっかけにして、どうしようもなくある分野に対して「しっかりしないと！」という気持ちになります。
もちろんその分野は、土星が入室しているハウスで起きるものですから、その人が普段から努力していることや、気付かなくてもきちんとやっている分野で起こる可能性が高いものです。
ですから、普段からきちんとやっている人からしてみれば、そこまで大きな試練ということもなく、むしろ今まで以上にその分野についてのやる気がみなぎる時期ということで、むしろ幸運期に近い感覚で出る可能性も大いにあります。
けれども、普段その分野について、なんとなく逃げ腰になっていたり、自分でもしっかりやっていないなと感じているような場合は、土星の重圧は思ってもみないほど苦しいものになるかもしれません。
土星が入室しているハウスは、その人にとって人生における非常に重いテーマとなるものです。
木星などの幸運星がクッションの役割を果たしてくれていればそこまでありませんが、そうでない場合、その人はそのハウスの分野について非常にシビアに物事を見ることになります。
それは、土星が他の天体とソフトアスペクトを取っていても変わりがありません。
例えば土星が太陽や月とソフトアスペクトを取っていて、土星が良い働きをしている場合、土星はそれらの天体に、適度な義務感と節度を与えることでその人の人生を良い方向に導きます。
土星が入室しているハウスにおいて、シビアな働きをしているからこそ、その人はそのハウスの分野について現実的な行動をとることができるのです。
木星などの幸運星は、楽観主義的な軽さを加えてはくれますが、その人にとってそのハウスの分野が本質的にシビアなものであることに変わりはないのです。
例えば、家庭環境を示す４ハウスに土星が入室している場合は、その人にとって家庭は強い責任や重圧を与えてくる場所です。
人によっては、家庭感情がシビアであっても、とても明るい生活に育ったり、その重圧や責任を糧にして、自分自身も折り目正しい厳格な家庭を築き、人生における成功を掴む人もいるでしょう。
反面、家庭環境がシビアなことによって、心が負けてしまったり、非行に走ったり、実家と縁を切ったりする人もいるはずです。
それはどちらも４ハウスにおける土星の働きの結果ですが、人生がどのように変化するかは、他の天体との関係性によります。
逆に言えば、土星が与えるものは「そのハウスの事象をシビアにすること」だけであるともいえます。
ですから、その人にとって、土星がどのような働きをするかは、その人自身が歩んできた人生によるとしか言えません。
サターンリターンについても、土星自体が忍耐と試練の星と言われるため、そんな土星が重なることについて危機感を抱かれる人も少なくありませんが、一概にサターンリターンが来るからしんどくなる、ということはないのです。
あくまでも、それまでの人生において、土星が入っているハウスの事象についてあなた自身がどのように切磋琢磨してきたか、その結果が示される時期なのです。
さてそれでは、サターンリターンの時期は、ハウスによって具体的にどのような現れ方をするのでしょうか。
次回からは、ハウスごとのサターンリターンの現れ方について見ていきましょう。
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