「あなたの心が満たされるとき～木星パワーを人生の味方に２～」では、木星と月が性格を示すシングルチャートでアスペクトを形成している場合に、どのような影響があるかについてお話ししました。
木星はホロスコープで用いる天体中最大の吉星で、何か運がいいな、というときには大抵関わってくる星です。
そんな幸福の星が精神の状態を示す月と６０度や１２０度などの良い角度で関わってくるときには、当然心が幸福な気持ちになるときであると言えます。何か悩んでいることがあるのならば、その悩みは解消されるでしょう。気持が良い意味で大きくなる時であり、それを運が味方するため気持ちのままに思い切った行動を取ることが幸運を呼び込みます。自分自身で確信が持てること、やりたいと思ったことはどんどんやっていきましょう。万が一失敗したとしても、それが大した精神的ダメージに繋がらず、自信を持って行動することができるため、社会的地位も上がりやすいとても良い時期です。
特に、木星か月がキャリアを示す10ハウスや、労働を示す6ハウスに位置しているときには、仕事における評価の向上が期待できます。月はありのままの自分を示す星ですから、背伸びしない等身大の自分を大切にして今後の人生設計について考え、行動するにはうってつけの時期でもあります。健康増進にも良い時期です。ただし、現代の食生活では太りやすい時期にもあたりますので食べ過ぎには気を付けましょう。また、これはあまり知られていないことですが、くじ運が良くなる時期でもあります。一番良いのは金星と木星が良好なアスペクトを取るときですが、木星と月が良い角度を取っているときも、心が満たされるという意味で幸運期なのです。
出生時の星の並びを示すネイタルの月に、現在の星の並びを示すトランジットの木星が良好なアスペクトを取っている場合には、2か月程度上記のような幸運が続くため転職など計画性を要することを視野に入れるのも良いでしょう。逆に、出生時の星の並びを示すネイタルの木星に、現在の星の並びを示すトランジットの月が良好なアスペクトを取っている場合には、月は足が速いために数日でその効果はなくなってしまいます。そういうときには気持ちを大きく持ちすぎないように注意が必要になります。しっぺ返しが来ることはそうそうありませんが、背伸びしすぎたり自分にとって分不相応な望みのために大きな行動をしてしまった場合にはその限りではありません。あくまでも、「ありのままの自分、自然体の自分」を大切に行動することがポイントです。
特に女性は、理性よりも感情の欲求に従う方向性を選ぶようにすると良いでしょう。
■木星は良い影響ばかりではないことにも注意
逆に、ダブルチャートで木星と月が９０度や１８０度などのハードアスペクトを形成している場合は、精神が分不相応にあちこちに広がってしまい、さまざまな面が散漫になってしまう時期です。多忙な生活を送りやすい時期で、精神的、肉体的に無理をしてしまいがちで、それによって疲労し、判断能力が落ちたり金遣いが荒くなったりするかもしれません。ギャンブルにも軽率に散財してしまいがちですので気を付けましょう。
このような時は、新しいことには手を付けず、地道に堅実に物事を進めた方が良い時期です。エネルギーを温存する生活をすべき時です。健康も不摂生や暴飲暴食により壊しやすい時期ですので、無理をしないように規則正しい生活を心がけるようにしましょう。
特に、生まれた時のネイタルの月に現行のトランジットの木星が１８０度の角度を取るときは、１２年に一度の不調時です。今までの人生の疲労の蓄積の結果がどっと出てきます。特に女性は、女性特有の病気やそれに付随することによる症状が出やすい時期ですので注意が必要です。
例を挙げると、この時期に生理不順によるホルモン治療を開始した人が、処方された薬の副作用により血行障害を起こし、その治療に半年ほどを要したということがあります。ちょうどその人のネイタルの月がトランジットの木星と１８０度を取る時期でした。なかなか治らない症状に不安が増し、様々な治療法に手を広げすぎ、その治療のために月のお給料の半分ほどを使うことになったりと精神的にも金銭的にも散々な時期であったと言えます。特にこの人の場合は、精神的な試練を示す冥王星と土星の凶角度、身辺整理や環境の変化を示す木星と天王星の凶角度も重なったために、余計に激しい結果が出ることになったと言えます。このように、この時期は長期的に治療を要するような心身の不調に見舞われやすい時期ですが、自分の人生においては必要なことだと受け止め、時間をかけてでも治療に専念するようにしましょう。先ほどの例に挙げた人は、それまで長時間労働が当たり前の職場に勤めていましたが、このことをきっかけに年を取ってからも働ける職場に転職することを視野に入れ始め、今では残業が殆どない職場で働いています。
このように、この時期に強制的に訪れる休息は無駄なことではなく、長い目で見たときに将来の自分の幸福につながる木星からのギフトなのです。
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