足るを知る。禅語【知足】に込められた人生の学び

足るを知る。禅語【知足】に込められた人生の学び

何か足りないと、心の空白を埋めるように毎日を過ごしていませんか?

人は自分に欠けている何かを外側へ求めてしまう傾向があります。見つかったと思ったけれど、何か違うと感じてまた探し始める・・。そんなことを繰り返す毎日に疲れてしまった、という方へ。

外側ばかりに目を向けず自分の内側と、とことん向き合ってみませんか?

 

■ 欲望や誘惑だらけの人生を満たすために

■ 欲望や誘惑だらけの人生を満たすために

心の中にコップがあって、そのコップに入る水で充足感を計れるとしたら、そのコップには今どのくらいの水が入っているのだろう・・?

そんなことを考えてみたことはないでしょうか。

心のコップの水が少なく感じると、人はコップを満たすためにいろいろなことを考え行動し始めます。

「心の充足感」を計るのはコップの中の水に例えると、コップが満たされている時程、人は幸福を感じることが出来るといわれています。

人の欲望は尽きることがありません。

欲しいと思って手に入ると、また次に欲しいものが現れます。外側の欲望に目を向け続けると、心のコップは満たされてもまた減っていってしまうということを繰り返してしまうのです。

心の充足感を持ち続けるためにはどうしたら良いのか・・?

禅語の中に「知足」という言葉があります。足るを知る、今必要なものはすべて自分にそろっているという考え方です。

足るを知ることで、心のコップの水が減ったり増えたりすることなく、穏やかに過ごしていけるようになっていきます。

 

■ 足るを知るを実感してみる

① 今自分にあるものを見つめなおす

■ 足るを知るを実感してみる

今自分にあるものすべてを見つめ直してみましょう。住んでいる家や家族、友人、仕事など。

 

② 何が足りないと感じているのかを自分に聞く

■ 足るを知るを実感してみる-2

足りないと感じていることをもう一度自分に問いかけます。本当に必要なのか、なぜそれが欲しいのか。今あるものを手放してまで欲しいと感じるのか、というところまでとことん突き詰めてみましょう。

 

③ 今あるものへ感謝する

■ 足るを知るを実感してみる-3

今あるものを手放さないと手に入らないと想像すると、自分にあるものへ感謝の念が沸いてきます。今自分の元にあることすべてに感謝しましょう。

 

④ 足りないと感じたものをもう一度よく見直してみる

■ 足るを知るを実感してみる-4

足りないと感じていたもの、本当に必要だったのかと見直しをすると実はそうではなかったということに気がつきます。そうすることで自分に必要なものはすべて整っているんだということを実感することが出来るようになっていきます。

■ 無くしたものばかりを数えることをやめる

■ 無くしたものばかりを数えることをやめる

人は無くしたものを追い求めてしまいます。過去の栄光や楽しかった思い出、失った恋人の面影。

失ったものはどんなに数えても戻ることはありません。無くしたものばかりを数えて生きていると、心のコップの水はどんどん減っていきます。

足るを知り、今の自分には必要なものがすべてあるという充足感を育てることで無くなったものへの執着を手放し、心の充足感を手に入れていくことが出来るようになるのです。

しあわせになるということは、心の充足感を得るということです。お金持ちだからしあわせ、素敵な恋人がいるからしあわせとは限りません。

お金を持っていても恋人がいても、心が空っぽならば人は幸福感を得ることは出来ないのです。

無くしたものばかりを数えるのではなく、今あるものを数えるという思考へシフトしてみましょう。

おのずと、知足の心へと近づいていくことが出来るようになっていきます。

 

■ おわりに

■ おわりに

 

禅の言葉、【知足】についてご紹介しました。

どんなにお金がなくても、周囲からみてかわいそうだなと思われるような生活をしている人でも、心に充足感を感じられていればしあわせなのです。

海の向こうの発展途上国の人々は日本人と比較すると貧しい生活をしていますが、しあわせを感じる割合は日本人よりも高いともいわれています。

心の充足感を感じて生きている人たちが、日本よりも多いということです。

お金を払えば欲しいものが手に入る世の中。大切なことを見失わないために、もう一度自分にあるものを見直して感謝することを始めてみませんか?

それが心の充足感を得るための始まりとなるのです。あなたの毎日がしあわせなものでありますように。