(1)幽霊はなぜ皆が長い黒髪で白装束?実はちゃんといろいろおるのじゃぞ【芦屋道顕】

(1)幽霊はなぜ皆が長い黒髪で白装束?実はちゃんといろいろおるのじゃぞ【芦屋道顕】

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スタッフから面白いツイートを教えてもろうたんだが。

ふむ、デフォルトアバター説はなかなか面白い。

だいたいにおいて、この世に恨みを残す死に方をした者は、しかるべき供養もされておらず、三途の川の渡し賃すら備えられてなかったであろうから、課金して美しい着物を買うたり、最近の女子であっても、クラッシュベロアパンツの一枚も買えぬのは仕方なきことじゃ。
しかし、これは飽くまでも冗談。

実際の理由は別のところにあり、また、霊障に遭うた人の話を聞いても現場に立ち会うても初期アバター姿の幽霊は、いまやほとんどいないのじゃ。
とはいえ、過去にはやはり幽霊といえば黒髪ロングストレート×白装束が制服なみの頻度であったゆえ、その理由からまず説明していくぞよ。

(1)昔の幽霊のデフォルトは「長い黒髪・白装束」だった?

■昔の幽霊画の姿の理由

さて、皆も一度は見たことがあるはずの、有名を極める幽霊画。不気味ではあるが、見ても特に悪いことは起きぬゆえ、安心して見てほしい。円山応挙なる、昔の人気絵師の作品だそうじゃ。

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円山応挙:返魂香之図(はんごんこうのず)

これなど、まさに幽霊そのものであるが、他にも幽霊画を探せば、昔の絵画の幽霊はほとんどこのような姿である。

実は、この黒髪白装束の姿は、掛け軸やら屏風画やらを描く当時の絵師の人気者が、己の思う幽霊を描いたところ大好評で、他の絵師が次々に真似たそうじゃ。それが長く続き、昔の人たちは幽霊といえば黒髪ロング白装束だと、意識に染み込んでしまったのではないかのう。

そして、そもそも、昔の日本では死者には白装束を着せて送り出していたことから、死者がその姿を現わすときには葬儀で着せた衣装をそのまま着て現れるであろうとの、生者の思い込みが大きく関わっておる。

■幽霊には実際の形はなく、エネルギー体である

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死者が万が一にもこの世に未練を残していて、姿を表そうとしても実はもう形はない。が、「念」「思い」でなんとかして、そこにいる生者に気付かれようとして、エネルギーを集中するわけじゃ。

そして、そのなんらかのエネルギー体を観たときに、観た人間が思うている「幽霊とは、このような姿」で像が結ばれる。

性格も家庭環境も異なる子供たちに、たとえばモヤモヤとしたなにやら不明な煙を見せたとする。10分後にあれはなんだったか、どのような形だったか?と問えばきっと、喫煙者の家庭の子はタバコの煙と答え、やや高い位置から立ち上る形と答えるやもしれず、近くに温泉が沸き立つ土地の子は、湯けむりと答え地面から沸き立つと答えるやもしれぬ。

幽霊像も似たようなもの。同じ「霊体」と俗に呼ばれるエネルギー体を目の当たりにしても、江戸時代の日本人とバテレンが共にそれを見たなら、日本人は当時の流行画に描かれていたような、やはり黒髪白装束の女を見たやもしれず、バテレンならば黒い煙に見えて、悪魔の化身であろうと答えたやもしれぬ。

しかし、死者を送り出すときには白装束を着せており、名だたる有名画の幽霊は皆その姿となれば、夜道を歩いていて何やら恐ろしいものに出会うたときに、それが掛け軸やら屏風に描かれた幽霊に似通った姿に見えても不思議はない。

■幽霊も「私は幽霊ですよ」と、分かりやすくしてくれている

また、これまた面白い話なのじゃが、幽霊となり出てくる側も(実際にはホラー映画のように魂があり人格があり誰かに復讐を果たしたり不特定多数に危害を加える力を持つ霊体など存在しないが、あると仮定して)気を遣っておるのじゃ。

例えば、幽霊がもし愛らしい子猫の姿で現れたなら?

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観る者を怖がらせることも、それ以前に幽霊と認識させることも難しかろう。

また、恨めしい表情をしていても、どこぞの成金商人か、夜道で会うたらむしろ山賊に襲われ金品強奪される側であろうと思える着飾った小太りの中年ならば、やはり怖くもなかろう。

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また、死者も生前、幽霊画を見て「なるほど、幽霊はこのような姿なのだ」と信じ込んでいて、いざ幽霊としてデビューするにあたり、一律似通ったリクルートスーツを着込み黒髪に戻した単発で就職に臨む学生の如く、黒髪白装束で現れるわけじゃな。

しかし、冒頭でも触れたように、実は現代ではそのような幽霊はほとんど見かけない。いや、幽霊そのものを皆、ほとんど見かけておらぬはずじゃが。

では、今の幽霊はどのような姿か?と、その理由は(2)で話そうぞ。

(2)黒髪ロングの白装束はもう古い!幽霊の姿はやはり多様化しておるぞ


 

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