魔女は怖くない!男性の魔女も居る!現代に生きる魔女の実態

魔女は怖くない!男性の魔女も居る!現代に生きる魔女の実態

現代にも本物の魔女が居ます。もちろん日本にも本物の魔女は居るのですよ。ご存知でしたか。ホウキで空を飛んだり、鍋でカエルやトカゲを煮て緑色の薬を作ったりするのが魔女ではありません。みなさんのイメージの中の魔女と、魔女の実態はかけ離れているかもしれません。今回は、現代に生きる魔女の姿を簡単にご紹介いたしましょう。

 

ウィッチクラフト、ウィッカは宗教です

ウィッチクラフト、ウィッカは宗教です

魔女が魔女であるという根本的な理由はなんでしょうか。歴史ある魔女の本にも、沢山の日本人魔女のHPにおいても語られるのは、魔女とはウィッカ、ウィッチクラフト(日本語では「魔女宗」と翻訳される場合もあります)の宗教を信仰している人々であるということです。そう、魔女は宗教だったのです。実際に欧米では3大宗教や日本の宗教と肩を並べる、正当な宗教として認められています。

 

では、魔女はどんな神様を信仰しているのでしょうか。反キリストのヤギの悪魔?いいえ違います。魔女の宗教はキリスト教の敵ではありません。現代の魔女の宗教については、ネオペイガニズムという運度の中で説明されることが多いです。

 

ネオペイガニズムとは、キリスト教以前の土着的宗教を見直そうという動き全体の事を指します。魔女も、キリスト教以前の古代欧州に存在したであろう、狩猟の神や地母神への信仰の流れの中にあるとされています。日本にも縄文時代には、妊娠した女性の土偶を作って子孫繁栄や豊作を祈ったり、狩猟の成功を祈って犬や獲物の埴輪を作ったりしました。そういった、非常に自然の営みと近い信仰の一種が魔女です。

 

日本の良さを挙げる時に、草木や天気にも敬意を払う「アニミズム」を語るかたもいらっしゃると思いますが、そういった点では、日本には魔女的感覚が長く根付いていると言っても良いかもしれません。黒いローブを纏った腰の曲がったおばあさんよりも、草木を大切にして、月の満ち欠けや季節の到来をお祭りする私達のほうが、本当の魔女の姿に近いのかもしれませんね。

 

魔女は老若男女を問いません

魔女は老若男女を問いません

魔女は宗教なのですから、もちろん男性も信仰が確立されていれば魔女になれます。女性であっても魔女宗の信仰がベースになければ魔女とされない場合もあります。また、おばあさんやおじいさんである必要もありません。自分で選び取る宗教ですので、成人しているか、判断力のある年齢になっている必要はあるかもしれません。

 

男性も魔女として最前線で活躍していることの最大の証明としては、ジェラルド・ガードナー氏の存在があります。男性である彼が近代魔女術を確立したと言っても過言ではないのです。

 

15世紀から本格的に始まった魔女狩りは、英国ではなんと1951年まで「詐欺的霊媒行為禁止令」という形で存続していました。この反魔女法とも言える法律が撤廃された後、最初に声を上げた魔女はジェラルド・ガードナー氏でした。彼は禁止令の有効だった1939年に魔女術に出会ったと言われています。禁止令の中でも、ひっそりと魔女の業は続いていたのでしょう。彼は魔女を研究、実践し、当時研究の進んでいたオカルティズムの要素も合わせつつ、近代魔女の体系を整えていきました。これが近代において魔女が息を吹き返すきっかけになりました。一方で、禁止令前のようにひっそりと活動を続ける魔女の存在もあり、魔女は枝分かれして広がっていくことになりました。

 

それでは、魔術師=男性の魔女か?それもそうとも言えません。魔術師は自然信仰以外の信仰を持っていても活動することが出来るからです。魔術師においても自分自身の芯となる信仰があるのは重要な事です。しかし、それはペイガン的な自然信仰に限りません。魔女とは魔女宗が中核にあるものと言っても過言ではないでしょう。

 

魔女は人に危害を加えません

毒リンゴを作って白雪姫に毒を盛ったり、惚れ薬を作ったりするのが魔女でしょうか。それも違います。確かに魔術を使える魔女は存在するようです。しかし、魔女宗では他者を苦しめたり、否定したりするパワーを禁じる場合がほとんどです。惚れ薬を作って、特定の誰かの心を動かすことも、慎重にならなければいけません。術の恩恵に与る人にとっては幸福なパワーでも、本来その人と結ばれるはずだった誰かの心を傷つける結果になるかもしれません。魔女は一見幸せのためになるような術においても慎重に検討し、人に危害を与えることのないように活動していることがほとんどです。

 

毒を作らない、男女を問わない、自然を愛し、自然の奥にいる神々への信仰を持った人々。それが魔女です。近年、環境問題に取り組む活動が社会的に評価され、食事においても自然のものにこだわりを持つ人が増えてきました。これは魔女が古くから受け継いできたノウハウが現代において活かされていると考えることも出来ます。魔女は常に形を変え、時代に寄り添いながら生き続けています。