恋愛ぶっちゃけトーク・最強の真面目君・人生にはチャンスと良い波は必ず来る

恋愛ぶっちゃけトーク・最強の真面目君・人生にはチャンスと良い波は必ず来る

恋愛ぶっちゃけトーク・最強の真面目君・人生にはチャンスと良い波は必ず来る春まであと1月!とはいっても寒さが厳しい毎日。あたたかいコーヒーが毎日欠かせません。コーヒーといえば、思い出す人が一人います。今回はその彼のお話をしたいと思います。

♥出会い

♥出会い

私が専門学生だった頃にバイトしていたレストランに、同じくアルバイトとして厨房で働いていた夜間大学生がいました。月曜から金曜までは朝9時から午後5時まで、土曜は午後3時まで働いていて、それから大学に通うという生活をしているとても真面目な学生さんでした。私も昼間は稼ぎたいので夜間のクラスに通っていましたが、授業中、爆睡して何回も先生から怒られたダメ学生だったので、彼のことを真面目君と呼んでいました。

♥出会い-2

夏休み中もずっとバイトで、連休を取ることもしなかった彼に店長が「夏休みは何か楽しいことはあったか?」と聞いたら、彼の答えは「映画を100本観て、本を30冊読みました!」 店長はじめ、他のスタッフ皆、唖然。笑  私も受けて笑ってしまいましたが、内心では、かなりいいね!と思っていました。ここまで、勉強熱心でマニアックで真面目な大学生に出会ったのは初めてでしたし、現在までを振り返っても、彼のようなタイプは他にはいません。本は私も大好きで通勤通学の電車内では必ず読んでいましたが、彼が好きなのは、太宰治や司馬遼太郎とかで、漱石やサガンばかり読んでいた私とは話が合わないのですが、お互いに、「こっちのが断然面白い!」と 全く話が噛み合わない会話を延々とするのがかえって面白く、休憩時間に二階のラウンジルームに椅子を幾つか並べて、寝転がりながら、やはり話の噛み合わない会話を毎日、繰り返しては「あんた趣味悪いよ!」で締めくくるのが日課になっていました。笑

♥出会い-3

♥彼の事情と責任感の強さ

♥彼の事情と責任感の強さ

そんなある日、それまでは一切、家庭のことは話さなかった彼が休憩時間にいつものように椅子に寝転がりながら、家庭の事情から何故夜間大学を選択したのかまで話してくれたことがありました。ご両親は北海道で牧場を経営していること。ご両親共に病弱で経営も生活も大変なので夜間大学を選択して生活費も学費も自分で賄っていること。そして、出来るだけ節約して毎月少しずつ仕送りしていること。文学が好きで、ジャーナリストが夢だったが、卒業したら北海道に帰って牧場を継ぐことを決めているということ。一時期は上京もあきらめていたが、ご両親が一生に一度の機会なんだから、行きたい大学で勉強しなさいと送り出してくれたこと。弟さんは北海道にずっといるが、性格からして、家族を背負える器量はないから自分一人で両親を支えていこうと思っているということ。など…いつもなら1時間の休憩のうち、20分位は二人でぐうすか寝てしまうのですが、この日は彼の話が終わっても、感動して眠れなかったことを覚えています。

♥彼の事情と責任感の強さ-2

♥思いやりと本当の優しさ

♥思いやりと本当の優しさ

その数週間後、土曜の夜に店長の弟さんと、若いスタッフ皆で六本木にある、まだ当時は開店したばかりのコロッケさんの店に連れて行って貰えることになりました。軽く他のお店で飲んでからそちらに移動して朝までショーを観て皆で大笑いしました。そして、始発で帰ることになったのですが、彼が住んでいたのは京浜東北線沿線。私とは別なので、途中で別れるはずでしたが、乗り換え駅で降りずにずっと座ったまま。最初は寝てるのかな?と思っていましたが、隣を見ると本を読んでいました。笑  「なんで降りないの?」と聞くと「いや、椅子があったかくて気持ちいいから、このまま読書したい」というので、変わってるなと思いつつも、「ふ~ん」とだけ返事して私は最寄り駅までうつらうつらしていました。

♥思いやりと本当の優しさ-2

そして、駅についたので、「ここで、降りるから。また来週ね!」と言って降りたのですが、何故だか彼まで立ち上がり、後からついてきたんです。私は一瞬、アパートまで来る気?と疑ってしまい、改札から出すまい!ってなことばかり考えていました。ところが、彼は改札近くまで来ると「ちょっと待ってて」と言って自販機に向かって走っていき、戻ってくると私に熱い缶コーヒーを手渡して「ちゃんと歩ける?気をつけて帰りなよ!」と言うと手を振って、そこから1時間かかる彼の住む町の最寄り駅へと帰って行きました。そこで、初めて私は彼が私が眠ってしまい乗り越さないか心配して送ってくれたことに気づきました。私は缶コーヒーは甘過ぎてあまり好きではないんですけど、この日の缶コーヒーだけは格別に美味しかったです。

♥まとめ

♥まとめ

私はこの彼ほど、真面目で誠実で若いにも関わらず、ご家族のことを支える覚悟がある人に出会ったことはありません。もし、彼にまた会えたとしたら、熱い缶コーヒーのお返しに、彼のお母さんとお父さんにボディケアをしてあげたいなと思います。そんな機会はあるはずないので、妄想でしかありませんが。笑  私はその後、リンパ腺性結核にかかり、このレストランを辞めたのですが、彼から何回か電話が来ました。話の内容は「具合どう?元気か?」だけ。笑  ですが、なかなか切らすにずっと黙っていました。何となく察しはつきましたが、私は私で両親にとっては唯一、面倒を見る娘なので、彼と北海道に行って牧場を継ぐわけにはいかないので、何も言わずに「話ないなら切るよ!」と終わらせていました。

♥まとめ-2

ですが、今思えば両親も連れて行くという選択肢もあったはず。彼ほどに賢くなく、後取りということも、正直言って負担に感じていた私には、そんな考えまで浮かぶはずもありませんでした。結婚を考えている皆さん、人生にはチャンス、幸せになる波が必ず来ます。私のようにチャンスを掴めなかったり、波に乗れずに傍観しているようなアホにはならないように。笑