【短編恋愛小説】儚き夢の恋物語其の二
第四章 それから一年半後、昭和十六年十二月に入ると、日本軍の真珠湾攻撃によって太平洋戦争、いわゆる第二次世界大戦が始まった。そして、会津の町にも赤紙が次々と届き男達は軍へと連れて行かれた。昭夫は軍隊に入ることは怖くはなか…
第四章 それから一年半後、昭和十六年十二月に入ると、日本軍の真珠湾攻撃によって太平洋戦争、いわゆる第二次世界大戦が始まった。そして、会津の町にも赤紙が次々と届き男達は軍へと連れて行かれた。昭夫は軍隊に入ることは怖くはなか…
プロローグ まだ春浅い雪の残る会津の涙橋の袂で冨貴子は川下に流れていく簪をただじっと見つめていた。 昭夫と過ごした日々の思い出が走馬灯のように次から次へと冨貴子の頭の中を駆け巡る。 「昭夫さん なしてオラ達幸せになれなか…
ベリーグッドでは以下の恋愛小説を連載しています。 どれもオススメですので是非読んでみてください☆ →[次]各タイトルをご紹介!
第9話へ⇐ パーティのお手伝いが終わった夜。お屋敷からの帰り道で、食事に誘われた。 真野 「あんただって腹減ってるだろ? メシ、食いに行こうぜ」 そう言って連れて来られたのは、いかにも庶民的な居酒屋……。 …
第8話へ⇐ パーティの片づけをしていた私たちの耳に、言い争う声が聞こえてきた。 遥香 「嘘つかないで! またあの女のところへ行くつもりなんでしょう!?」 真野 「加々美社長に女がいるってわけか。ますます面白…
第7話へ⇐ パーティの途中で押しかけて来た女性が、玄関先で言い放った。 女性 「遥香さん! あなただけ逃げるなんて卑怯よ!」 鋭い視線を向ける相手を、遥香さんは平然と受け流す。 …
第6話へ⇐ やがてパーティの日がやって来た。 遥香 「今日はよろしくお願いね。主賓は私の夫なの。誕生日なのよ」 準備のため、早めに屋敷を訪ねると、美しく着飾った遥香さんが出迎えてくれる。 真野…
第5話へ⇐ 人気モデルと実業家が暮らす加々美邸 その玄関に一歩足を踏み入れたとたん、目を疑うような光景が広がっていた。 紗希 (何これ……ゴミ屋敷!?) 真野 「いくらなんでも……これはひど過ぎるだろ……」…
第4話へ⇐ ひき逃げの犯人が自首をした。 その知らせを聞いてホッとしたのも束の間、逮捕されたという犯人は、その日、私たちが見かけた男だった。 紗希 「でも、どうやってこの写真を手に入れたの? まだニュースに…
第3話へ⇐ 突然かかってきた電話に、佐倉さんが驚いた声を上げた。 佐倉 「……ひき逃げの犯人が捕まった?」 紗希 (あの時の犯人が見つかったの? 本当に?) 心の中でもやもやしていたものが、少…
第2話へ⇐ 思った通りだ、という真野さんの言葉にハッとして目を凝らす。 見ると、深く帽子をかぶり、サングラスで顔を隠した加々美遥香の姿があった。 真野 「相手の顔が撮れれば、高く売れるかもしれないな」 &n…
控室を訪ねていた私たちの前で、遥香さんの携帯が鳴った。 遥香 「……大事な仕事の話なの。ひとりにしていただけないかしら」 静かだけれど、強い口調。私は取り出した名刺を置いて部屋を出る。 廊下に…
プロローグへ⇐ 講演が終わったばかりの控室で、遥香さんの不穏な声がした。 遥香の声 「二度と電話なんかかけて来ないで。今度かけてきたら名誉棄損で訴えるわ」 その声を聞いたとたん、真野さんの表情…
いつもと変わらない日常が、突然変わってしまうことがある。 たとえば、なにげない同じ週末。これから金曜の夜を楽しもうとしていた、そんな時に―――。 ??? 「吉岡さん、おつかれさま」 夕方のオフィスで声をかけ…
第7話へ⇐ 明日は、臨時理事会。 お義母さまはこの頃、やっと起き上がれるようになったけれど……。 惣一朗さんが、院長の座から正式に退くことが決まったら、また寝込んでしまうかもしれない。 そんな弱々しい気配を漂わせていた。…