『大正浪漫ラヴストーリー』<第11話> ~直哉ルート~
第10話へ⇐ 直哉 「あー、やっぱりハナちゃんだ」 ハナ 「直哉……さん……?」 その声に振り向けば、そこには優しい笑顔のままの直哉さんがいて。 だけど、ぐちゃぐちゃになった泣き顔の私を見て、表情が一変した…
第10話へ⇐ 直哉 「あー、やっぱりハナちゃんだ」 ハナ 「直哉……さん……?」 その声に振り向けば、そこには優しい笑顔のままの直哉さんがいて。 だけど、ぐちゃぐちゃになった泣き顔の私を見て、表情が一変した…
第10話へ⇐ 清人 「ハナさん!!」 ハナ 「若旦那様……?」 声の方を振り向けば、息を切らせた若旦那様の姿。 清人 「……すまない」 ハナ 「い、いえ……若旦那様に謝っていただくようなことは…
第9話へ⇐ 翌朝。 いつもより眠る時間が少なかった割には元気に仕事が出来ていた。 それはきっと、衿の中にあるお守りのおかげ。 ハナ (直哉さんにもらった本……いつか読めるように) カヨ 「ハナ、向こうを掃除…
第8話へ⇐ 女中1 「はぁ、今日はなんだかいつも以上に疲れちゃったわ」 女中2 「けど、若旦那様があんなこと言ってくれるなんてね」 女中3 「驚いたわ」 女中1 「それもこれも、夏井さんのおかげかしら」 ハナ 「え……?…
第7話へ⇐ 若旦那様はぽつりぽつりと紀美子様の過去を話しだした。 清人 「紀美子は幼い頃、体が弱かったんだ。そのせいもあって、家族は皆、紀美子を甘やかせた」 清人 「どんなわがままを言ったって、紀美子が元気…
第6話へ⇐ ハナ 「いつの間にか……外の景色が一変してる」 2階の廊下を掃除している時だった。 ふと、外を見るとそこから見える 庭の草花は姿を変えていた。 それは、季節が変わったことを 表していて……。 &…
第5話へ⇐ 直哉さんに連れてきたもらえたお店。 その中から出てきたのは……。 ハナ 「紀美子様……」 紀美子 「仕事中のはずよね?」 私と直哉さんを舐めまわすように見たあと、鋭い視線を向けてみ…
第4話へ⇐ トメ 「ハナ、ハナ」 ハナ 「は、はい! なんでしょう、トメさん」 トメ 「ああ、いたわね。 掃除はいいから、買い物に行ってもらえないかしら」 ハナ 「買い物、ですか?」 トメ 「ええ、若旦那様に頼まれていた…
第3話へ⇐ ハナ 「熱っ……!」 途端に顔へ降りかかった紅茶を拭い去る。 その時だった。 頭上から私は怒鳴りつけられたのだ。 紀美子 「何をするの!? 着物が紅茶でよごれてしまったじゃない!」…
第2話へ⇐ あの日、清人さん……松乃宮の若旦那様に連れてきてもらえたこのお屋敷。 早いことに、あれから数週間の時間が経っていた。 不安がってはいたけれど、あまりの目まぐるしさに全ての感情が吹き飛んでしまいそうな日々だ。 …
第1話へ⇐ ハナ 「あ、あのっ……!」 もごもごと、直哉さんの胸の中で声を上げると、頭上に柔らかな息がかかった。 直哉 「ハナちゃんが、あんまりにもいじらしくてさ。ついつい抱きしめちゃった。ご…
――文明開化と共に訪れた華やかな時代。 けれど、それはほんの一部の人間しか味わうことの出来ない世界。 夜毎ひらかれる舞踏会なんて、夢物語。 ほとんどの人間は貧困にあえいでいた。 学校にも通えず、貧しい農村で朝から晩まで畑…