願いが叶う?!自分を見つめる旅に出る「お遍路女子」デビューしよう!

 
四国にある、弘法大師空海ゆかりの88ヶ所のお寺を繋いだ全長1000キロを超える巡礼の道は四国八十八ヶ所と呼ばれる霊場で、このお寺を巡礼する人たちのことを「お遍路(へんろ)さん」と呼びます。

歩いて回るのもよし、車や自転車を使うもよし!一度に回り切るもよし、何度かに分けて巡るのもよし!回ることで弘法大師の功徳が得られ、88ヶ所すべてを回りきる結願(けちがん)をすると、あらゆる願いが成就すると言われています。

謎多き高スペック僧侶・空海の残した足跡をたどる、ちょっとスピリチュアルなお遍路の旅。実は最近お遍路にハマる女子、お遍路女子が増えているそうなのです。

そこで、お遍路についてのあれこれをまとめてみました♪
 

 
①お遍路の回り方

お遍路でお寺を参拝することを「打つ」といい、一度に88ヶ所すべてを回りきることを通し打ち、何度かに分けて回ることを区切り打ちといいます。区切り打ちのなかでも徳島、高知、愛媛、香川のそれぞれの県で区切ることを一国参りと呼びます。

また、お遍路では徳島の霊山寺を1番として、高知、愛媛、そして88番目である香川の大窪寺までお寺に順番がつけられていて、順番通りにお参りすることを順打ち、逆回りにお参りすることを逆打ちと呼びます。

逆打ちは、かつて映画化もされた坂東眞砂子の小説「死国」に登場した、死者を蘇らせる禁断のアレです。が、実際は蘇りません(当然)。逆打ちは順打ちに比べて難しいと言われること、順打ちで遍路を回っている空海とすれ違うかもしれないとされていることから、逆打ちのほうがご利益があると言われています。
 

 
②計画はしっかりと

ルートによって変わりますが、すべて回り切ると全長1100~1400キロの長丁場。近年お遍路がカジュアル化するにつれて、スマホとSNS頼りの行き当たりばったりな旅をするお遍路さんの話を聞くこともありますが、トラブルの元にもなりかねません。ある程度は下調べし、宿や交通機関は事前に確認しておきましょう。しっかり計画を立てておくことも大事です

一般的に徒歩で40日程度、自転車で20日程度、レンタカーや旅行会社のツアーバスなどで7~14日程度で回りきる方が多いようです。徒歩や自転車は体力や天候によって左右されることが多いので、時間には十分ゆとりを持たせて。

……と長々書いてきましたが、どこから始めてどこで終わってもOK。厳密な決まりはありません。お遍路の期間や、自分の脚力・体力、気になるお寺やスポットを考慮しつつ、自分に合ったプランを練りましょう!

 

③持ち物や服装はどうすればいい?

実は、服装や持ち物にも決まりはありません。お遍路、ユルい!

ですが基本的には動きやすい服装、とくに歩きやすくて多少の山道でも歩ける靴で挑みましょう。でも、少しくらいそれっぽい格好をしたほうが気分も盛り上がりますよね?!

形から入るタイプの方は菅笠白装束、そして金剛杖を装備すればかなりお遍路スタイルに近づけるのでオススメ!略式の袈裟である輪袈裟をTシャツなどの上からつけているスタイルもよく見かけます。それから、長時間屋外にいることになるので、季節を問わず紫外線対策は忘れずに。後で後悔します。ええ、きっと後悔します。

その他の持ち物としては、数珠、四国霊場巡拝用のお経が載っている経本、「札所」の語源でもあり巡礼したお寺にお納めする納札(おさめふだ)、参拝の証に御朱印をいただく納経帳があれば、お遍路グッズとしては完璧です!

お寺のお参りに必要なお賽銭お線香ロウソクも用意しておいたほうが無難です。

お遍路さん用品は主な霊場付近や仏具店のほか、ネットでも購入できますよ☆
 

 
③区切り打ちオススメポイント

ガチなお遍路はハードルが高いけれど、とりあえず観光がてらお遍路さん気分を体験してみたいという方は、ぜひ愛媛県の松山市周辺へ!

松山市には46番浄瑠璃寺から53番圓明寺までの8寺があり、お寺とお寺の距離が短く回りやすいこと、比較的なだらかな道でつながっていることから、歩きお遍路初心者さんにも安心なエリアです。

また、51番石手寺の近くには日本屈指の歴史を持つ道後温泉も。正岡子規や夏目漱石といった文豪に愛され、千と千尋の神隠しのモデルのひとつとも言われる古きよき温泉街が広がっています。歩き疲れた後は、すこし熱めのお湯につかってゆっくり癒されちゃいましょう♪

 
【おまけ】お遍路さんとお接待

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四国ではお遍路さんを「お大師さん(空海)と同じ仏様」として扱い、無償でお菓子やお茶などのおもてなしをしたり、庭先やお家に招いて休憩を取らせてくれるお接待という風習が残っています。

ふつう、知らない人からものを貰うと「何かあるんじゃないか」と勘繰ってしまいますが、今よりずっと昔、道半ばで行き倒れることもあるほどお遍路の旅が困難だった時代から続く善意の形なので、基本的には断らないのがマナー。

ときどき受けるこのお接待もお遍路の醍醐味のひとつ。納札を一枚手渡して感謝を伝え、ありがたく頂いちゃってください!
 

 
いかがでしたか?

ほんのさわりだけお伝えしましたが、お遍路さんに興味をもっていただけたでしょうか?

願いを叶えるため、自分を見つめなおすため、供養のため、なにかをやり遂げたいためなど。

目的は人それぞれですが、回り終えて結願を迎えるときには心のなかに温かい気持ちが芽生える旅、それがお遍路の旅なのだと思います。

気候のよくなる春先はお遍路をはじめる人が多い時期でもあります。

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開祖の空海の名のごとく、青い空と青い海(と、途中にあるたくさんの山)に彩られた心の旅に出る、お遍路女子デビューしてみませんか?!