タロットで占う「あの人に連絡を取ったら関係性はどう変化するか?」2

タロットで占う「あの人に連絡を取ったら関係性はどう変化するか?」2

前回のタロットで占う「あの人に連絡を取ったら関係性はどう変化するか?」1では、大アルカナと小アルカナの解釈の違いを見るにあたって、「今あの人に連絡を取ってみたら二人の関係はどうなるか?」という問いで占い、「結果」の部分に大アルカナが出た場合と似た意味の小アルカナが出た場合の解釈の違いについて見ていきました。

前回までは、大アルカナ22枚のうち、0番の愚者、1番の魔術師について見ていきましたので、今回は、2番の女教皇から、4番の皇帝までを見ていきましょう。

なお、愚者や魔術師をはじめ、大アルカナにも小アルカナのコートカード(人物カード)と同じく人物が描かれているので混同しがちですが、あくまでも大アルカナは問いに対する大まかな概念、質問者の精神や人生の在り方のイメージ、「精神性」や「生き方・あり方」を示すものです。ですから、大アルカナに示された人物の性別は女性的・男性的というイメージはあるものの実際の性別を問いません。このため、「カードが示すようなイメージの人物そのもの」を示す小アルカナの人物カードとは区別することが大切です。また、小アルカナのコートカード以外の数札(1~10までのカード)は、「起こりうる日常のワンシーン」であるということも押さえておきましょう。

<2番:女教皇>

■正位置の解釈
女教皇は、冷静な判断や知性、英知の象徴です。正位置で出た場合は、理性的な判断力を持って関係を築けることが示唆されます。喧嘩をしたあとなどに仲直りしたいときなんかには良いカードですが、恋愛関係においては色気のない関係になることがイメージされます。政治や法律関係を占うと結構出てきやすいカードです。

■逆位置の解釈
逆位置の場合、冷静すぎて感情が伴わない、冷ややかな関係性になってしまうことが考えられます。女教皇は知性的であるがゆえに評論的・批判的なカードでもあるので、冷静に「やっぱりうまくいかないね」と話し合うことになるかもしれません。

似た意味の小アルカナのカードとしては、「ソードの女王」が挙げられます。ソードの女王は女教皇のように冷静で理知的な「女性像」を示します。正位置であれば冷静な判断を下す女性。逆位置であれば批判的な判断を行う女性。占った人やそれにかかわる人物が、そういった態度を取ることになるということです。上で書いたとおり、大アルカナはあくまでも問いに対する精神性を示してており、小アルカナは具体的な人物像を示すことになります。

<3番:女帝>

■正位置の解釈
女帝は、豊かさや愛情、満足感を示します。心も環境も満たされて、幸福な状態を表します。このカードが正位置で出た時は、二人の関係性はとても満たされたものになるでしょう。結婚や妊娠を示唆していることもありますので、プロポーズの話も出るかもしれません。

■逆位置の解釈
逆位置になると、満たされたこと・満たされることに対するマイナス面が現れます。例えば愛情にあぐらをいかいて我儘になったり、怠惰になったり、浪費したりいらぬ嫉妬をしたりということです。望まない妊娠を示す場合もあります。大アルカナは女性のカードだからと言って女性を示すとは限りませんので、愛情や与えられる立場にあぐらをかくのは女性側とは限りません。

似た意味の小アルカナのカードとしては、「ペンタクルスの9」が挙げられます。ペンタクルスの9の正位置は「優雅さ」「幸福」「成功」などの意味を持ちますので、正位置で出た場合の関係性は幸福な方向に進むことが予想されます。しかしこのカードに描かれているのは一人だけであり、これが「起こりうる日常のワンシーン」であることを考えると、関係を進めることによって満足できるのは片方だけなのかもしれません。逆位置では、「優雅さ」は「浪費」に、「成功」は「打算的」に変わってしまいます。片方だけが抱く満足感は、結局「孤立」に変化してしまいます。
結構、明らかに状況が良くないと思われるシーンでもペンタクルスの9は出てくるカードなのですが、たとえ正位置でも「二人で一緒に幸福になる」イメージはこのカードからは沸きません。ただ、満足感を抱く側(大抵はカードが示す通り女性です)であれば、それはそれで幸福なのかもしれません。

<4番:皇帝>

■正位置の解釈
皇帝のカードは、権力や支配、社会的な成功や安定の象徴です。正位置では責任も発生するものの、成功を治める暗示になります。二人の関係性に対して皇帝のカードが出た場合は、どちらかがイニシアチブを取りつつ良い関係性を築けるものと解釈できます。

■逆位置の解釈
逆位置の場合、支配的・権威主義的な面が強くなり、強引さや傲慢さによって暴君のように孤立してしまいます。独断でものごとを進めるような面が強く出てしまい、結果的に関係性が破綻したり相手の信頼を失うような結果になります。

似た意味の小アルカナのカードとしては、「ワンドのキング」が挙げられます。「皇帝」は二人の精神性や概念を示すもので男性を指すとは限りませんが、「ワンドのキング」はほとんどの場合男性を示すため、二人のうち男性側がキングにあたります。正位置であればリーダーシップのある男性が包容力をもって信頼感のある関係性を築くことになるでしょう。逆位置であれば男性側の暴君としての面が強くなり、自己中心的な態度を取るようになるでしょう。

次回は、5番の「教皇」から見ていきましょう。