前回の■「結婚時期が分かる!ホロスコープの見方1」では、結婚運を見るうえで関係してくる天体について大まかに説明しました。
今回は、各惑星について見ていくと同時に、ハウスのカスプとルーラーについてお話しします。
■惑星と同じくらい重要なハウスのカスプ
カスプとは、ハウスとハウス、星座(サインと言います)と星座を分ける境界線のことです。
ここではハウスの境界線のことを示します。
この境界線は、便宜上ラインを設けているものの、ハウスの場合においては実は結構曖昧です。前のハウスから次のハウスに移ったからと言っていきなりガラッと変わるものではなく、グラデーションのようにゆっくりと要素が移り変わります。
5度前ルールや6度前ルールといった言い方をしますが、ハウスの境界がはっきりと分かれているものではないため、次のハウスの5度から6度まで前に近付いてきた天体は、次第にこれから入室する次のハウスの影響を受けるものとされています。
もし、占いたいホロスコープの中で、次のハウスのカスプにごく近い場所に天体があった場合、その天体は現在のハウスと次のハウス、両方のハウスに入っている状態であると判断されます。
なお、この5度前ルール、ないしは6度前ルールは、次のハウスに入ってしまった後は入ったハウスの影響だけを見ることになります。5度後ルールというものはありません。
これはなぜかと言うと、天体はカスプの近くにあるときに、そのハウスに対して最も強い影響力を発すると言われているからです。
例えば1ハウスのカスプの近くにあるときは1ハウスに対して強い影響力を与えるからこそ、1ハウスのカスプに近付いてきた天体を1ハウスにも入っているものとして扱うのであって、1ハウスのカスプを越えて1ハウスに入ってしまった天体は、前のハウスである12ハウスに対して影響を及ぼすものではないのです。
このように、カスプとはハウスとハウスを分ける境界線であり、具体的には12ハウスと1ハウスを分けるカスプが1ハウスのカスプ、1ハウスと2ハウスを分けるカスプが2ハウスのカスプ…ということになります。
■支配星(ルーラー)について
支配星(ルーラー)とは各星座を司る星であり、それぞれの星座に対してその星の持つ特性と運命を授けている星のことです。各星座はそれぞれ特性を持っていますが、その特性はその星座の支配星から受け継いだものになります。
古代占星術においては、惑星は土星までしか見つかっておらず、初期の占星術では太陽から土星までの天体が各星座の支配星になっていました。その後、天王星、海王星、冥王星が発見され、水瓶座、魚座、蠍座の支配星として置き換えられました。
このため、これら三つの星座は、置き換えられる以前の支配星を副星として持っています。
各星座の支配星は以下の通りです。
牡羊座:火星
牡牛座:金星
双子座:水星
蟹 座:月
獅子座:太陽
乙女座:水星
天秤座:金星
蠍 座:冥王星(副星:火星)
射手座:木星
山羊座:土星
水瓶座:天王星(副星:土星)
魚座:海王星(副星:木星)
ホロスコープを読むにあたって、あるハウスのカスプが位置している星座が、どの支配星であるかによって読み方が変わってきます。ですから、ハウスのカスプと支配星について理解することは、ホロスコープを読むうえでとても重要なことなのです。
さてそれでは、具体的にどの星がどのような状態の時に結婚しやすいかについて見ていきましょう。
■太陽がもたらす結婚運
太陽は多くの占星術のテキストで、女性にとっては夫を示す星と言われていますが、実はこの解釈は間違っています。
太陽は、その人自身であり、その人にとっての公的な顔です。その人が社会に対して見せる一面が太陽が意味するところになります。
昔は、女性にとって公的な顔とは夫でした。A子さんという一人の女性は、結婚前は父や兄や弟など、家庭内での男性に埋もれ、社会的な顔など持ちようがありませんでした。
またたとえ家を出たとしても、会社では将来夫になる男性社員にとっての花嫁候補としての立場しか与えられず、結婚することでA子さんという独立した人格は消え、B男さんの奥様、という扱いになるものでした。
この場合の社会とは言い換えればキャリアでありステータスです。昔の女性にとってキャリアやステータスは自分に付随するものではなく、結婚相手である夫が持っているものでした。だからこそ、太陽=女性にとっての夫という解釈が成り立っていたのです。
けれども現代はどうでしょうか。もちろん男性に比べれば地位は低い人がほとんどとはいえ、女性であってもキャリアやステータスを築くことができるのが現代社会です。
ですから、一概に太陽=夫と見ることはふさわしくありません。太陽とはあくまでもその人にとっての公の顔であり、社会的ステータスを示す星です。その人が社会に対してどのような関わり方をするかによって太陽が意味するところは変わってきますから、多くの教本に書かれているように、太陽を夫として解釈すると判断を見誤ることに繋がります。
太陽はほとんどの天体との関係性において結婚の意味合いを強めます。ハウスとの関係性においては、7ハウスのカスプの支配星が、出生の太陽に重なる時に結婚しやすい状態になります。
次回は、月以降の天体と結婚運の関係について見ていきましょう。