恋にわびさび?! 日本語のおもしろ恋愛表現

恋にわびさび?! 日本語のおもしろ恋愛表現

✿豊かな日本語表現で恋愛を奥深いものにしてみよう

恋という字は、昔「戀」という書き方をしました。いとしいこころという意味の言葉だったと言われています。

今回はそんな恋愛にまつわる古い日本語をご紹介します。

今はあまり使わない恋を表す日本語表現をみることで、恋愛や愛情に関する古くて新しい考え方やとらえ方を再発見できるかもしれません。

 

✿恋死(こいし)恋風(こいかぜ)恋衣(こいごろも)=恋愛体質

恋死とは物騒でネガティブ言葉に思いますが、相手が好きで死にそうな状態を表しむしろ恋愛に燃えたぎった生命力の溢れる人をさす言葉です。

ただし本当に失恋して死んでしまったり、叶わぬ恋のためにカップルが心中してしまった時にも使われていたとか。昔は今のように恋愛が自由では無かったので本当に命をかけて恋愛をしていた人々も沢山いたようです。

恋風は切ない気持を寒風が身にしみる様子に例えたものです。また恋衣は心から離れない恋心を表現した言葉とのこと。

恋死・恋風・恋衣、こんな愛され方を一度はしてみたいものですね。

 

✿蝶蝶喃喃(ちょうちょうなんなん)=イチャイチャ

聞きなれない言葉ですが、男女が絶間なく楽しそうに話す様子を表す言葉です。蝶蝶はしきりに話す様子を蝶に例えたもので、喃喃は小声でささやく様子を小鳥にたとえてそれぞれ表しています。

羨ましくも妬ましくもなる風景ですが時にはこのような様子をリア充やイチャイチャという表現を使わず蝶蝶喃喃と表してみると、春ののどかな風景をみるような豊かな心でながめる事ができるかもしれません。

✿月下氷人(げっかひょうじん)=恋のキューピッド

✿月下氷人(げっかひょうじん)=恋のキューピッド

昔はお見合い結婚を仲介する仲人さん・媒酌人を月下氷人とよんでいました。

中国の古典が起源で、旅人が月夜に老人に会って幸せな結婚を予言された話や、氷の上で氷の下(水中)にいる人と相談をする不思議な夢を見た人が良縁を結ぶ仲人の役割をすることになった話がもととされています。

月下も氷人も現代でいう、キューピッドのような役割をする縁結びの神様とされる言葉です。寒い日には月夜に湖の近くを散歩してみたくなってしまいますね。

世界中に恋愛にまつわる表現がありますがどれもとても興味深いものです。言葉を一つ覚えるたびに、恋愛や人生を豊かにしてくれるかもしれません。