順調だったふたりの交際に、もしも突然の嵐が襲いかかったら？
信じていた彼にはもうひとり付き合っている女性がいた！しかもその相手は、自分もよく知っている○○さんだった――
そんな状態に置かれたとき、あなたなら一体どうしますか？
占い鑑定をしていると、実際にそういったご相談に来られる方も少なくありません。
事情はそれぞれ違っているものの、信じていた相手に裏切られたというショックと屈辱感、そして激しい嫉妬心に苛まれ、苦しむという点はほとんどの方に共通しています。
確かに、愛していた人に裏切られるというのは、とても苦しいことに違いありませんね。
ましてや浮気相手が自分のよく知っている人物だったならば、「いつから隠れて会っていたんだろう？」「ふたりで私のことを欺（あざむ）いていたなんて！」などと複雑な思いにも苛まれることでしょう。
最終的に別れてしまったカップルもあれば、元のさやに納まったというカップルもありますが・・・
意外なことに、“雨降って地固まる”のことわざのように、「彼の浮気を通して様々な事柄を学び、以前よりもずっと幸せになった」というカップルも結構多いのです。
今回は、私が実際に占い鑑定をした事例のうち、最終結果が分かっているものをいくつかまとめて“ひとつのモデルケース”としてご紹介したいと思います。
モデルケース：25歳のOL、A子さんの場合
A子さんが3歳年上の彼と交際し始めてから2年、同棲を始めてからはもうすぐ1年が経とうとしています。今までほとんどけんかもしたことがなく、ふたりの関係は順調そのものだと思われていました。
お互いの親にも「そろそろきちんとしなさい」などと言われることが増え、会話の中にも結婚のことが度々上るようになってきた矢先――
何と、彼が外出先からA子さんに“別の女性の名前”で呼びかけるLINEを送ってきたのです！
その名前に、A子さんは見覚えがありました。それはふたりの共通の友達で、その人を交えて三人で飲みに行ったりライブに行ったりすることもしょっちゅうでした。
元々は彼の会社の同僚だった人ですが、たまたま同じアーティストが好きだったことから仲良くなり、三人で顔を合わせる機会もどんどん多くなっていったのです。
彼から送られてきたLINEの内容は、明らかに親密そうな男女の関係を匂わせるものでした。驚いたA子さんでしたが、そのLINEを見たとき、ハッと思い当たることがいくつも頭をよぎりました。
「そういえば、三人でいるときにあの人が彼を“ちゃん付け”で呼んだことがあった・・・」
「彼は最近、スマホを絶対に手放さなくなった。トイレに行くときも、お風呂に入るときも・・・以前はいつでもポンとその辺に置いていたはずなのに」
疑わしい事柄が色々と思い起こされて、A子さんの血の気がサーッと引いていきました。いまにも張り裂けそうなほどの心臓を抑えつつ、A子さんは、意を決して彼にLINEを返信しました。
「どういうこと？相手間違えてない？」
それからのふたりはごく当然の流れとして、すったもんだの修羅場に突入して行きました。
彼は確かにその人と浮気をしていました。当然肉体関係もあり、さらにひどいことに、彼は相手の女性に「A子とはうまくいっていない」という嘘までついていました。
それが分かったときのA子さんの取り乱しようは半端ではなく、彼は一旦は「その女性とは縁を切る」と約束したものの、やがて前言を撤回し「その人と一緒に暮らす」と言ってA子さんの元を去って行ってしまったのです。
「彼の幸せを願って身を引く」という苦渋の決断がもたらした光
最初は単なる浮気だったはずが、恋人のあまりの怒りように怖れをなし、優しくしてくれる人の方にどんどん傾いていってしまう・・・
彼が浮気をしたというご相談の中には、そんなパターンがとても多いように思います。
浮気をした理由は様々ですが、元のさやに戻った後で彼の口から語られたことをまとめてみると、
「このまま結婚してしまっていいのかなと思っていたときに、相手から告白された」
「ちょっとした遊びだったはずが、だんだん本気になってしまった」
といった、気の緩みからつい浮気心を出してしまったケースが多かったと思います。
騒動の渦中にあるときにタロットを展開してみると、意外にもそれほど最悪な状態を示すカードが現れないことが多く、そういう場合たいてい時間はかかりますが、元のさやに戻る可能性は高いと私は判断します。（もちろんケースバイケースなので、「このカードが出たら○○」とは一概に言えませんが）
未来は完全に決定しているわけではなく、またタロットで「運命の赤い糸の相手」であるかどうかを見極めるのは相当難しいことですが、星の結び付きで見てみると、案外深い縁を持っている間柄であることが読み取れたりするものです。
そして、そんな間柄でさえ、“ソウルメイトだから”スムーズに結ばれて幸せになれる、とは決して言い切れないのですね。
むしろ結婚するほどの縁を持っている間柄だからこそ、人生の協力者として「わざわざ試練や苦しみを与えて魂の成長を促してくれる」のだと言った方がいいかもしれません。
今回取り上げたケースのご相談者様たちは、ほぼ同じように嫉妬や疑心暗鬼などの苦しみの時期を経て、最終的には「その方が彼が幸せになれるのなら、私が身を引くべきなのかもしれない」といった境地に辿り着きました。
不思議なことに、「絶対に許さない！」という気持ちがだんだん薄れていき、「彼が選んだのは私ではなく相手の方だったのだ」ということを受け入れられるようになると、まるで示し合せたかのように、みな一様に“彼が復縁を申し出る形で戻ってくる”という結果になったのです。
それは本当に「たまたま浮気心を起こしただけ」だったのか？
こうしたケースでは、彼自身も責任感や誠実さといったものを問われていたとはいえ、それ以上にご相談者さまの側の「無償の愛」が本物かどうかが試されていた・・・つまり“予定通りの試練”であったと言うべきかもしれません。
彼が幸せになることと、彼が自分と一緒にいることとは、必ずしもイコールであるとは限りません。「本当に彼の幸せを願っているのなら、彼が一緒にいる相手が誰であっても構わないはずだ」・・・そんな風に、一切の執着を手放したからこそ見えて来た“究極の愛の形”――
ご相談者様たちは皆、彼が自分の元へ戻って来たばかりではなく、今までよりもずっと強い絆が結ばれたことを感じながら、結果的にとても幸せな結婚生活を送っていらっしゃいます。
彼の幸せを願って身を引く決心までしたというご相談者様たちの「無償の愛」は、決して恋愛だけに留まらず、人生のあらゆる場面において奇跡を起こすことが出来るのではないか――そんな風に、私は思っているのです。
close