あなたなら何で選びますか? 「条件」では割り切れない愛のリアル。

あなたなら何で選びますか? 「条件」では割り切れない愛のリアル。

【男って、みんな同じ?】

あいかわらずさまざまな本を読みながらLOVE理論研究を続けるメガネ男子です。

先ほどまで沖川東横『男を夢中にさせる恋愛のルール』という本を読んでいたのですが、そのなかにこんな一節がありました。

恋愛期間(18歳~23歳)は、若くてフレッシュで一番キレイな時期です。この時期にいっぱい恋をしましょう。愛の喜びや挫折を覚え、経験を積むことです。

この間に複数の男性とお付き合いをし、「男ってこういうもんだ! 女とは違う」ことを学びましょう。
「男ってこういうもんだ」の一例を挙げるとしたら、どの男性もメールは最初だけ、付き合いが長くなるにつれてメールをよこさないとわかるはずです。

「なんだ! 男ってみんな同じだ」とわかれば、もう苦しむことはないでしょう。これはほんの一例です。恋愛期間は「男を知る」という期間にあてることです。

(中略)

執着しないで、道は複数持つことです。どんな場合でも軌道修正を恐れてはいけません。執着した貞操観念ばかりにとらわれてはいけません。今最大に愛する男性でも、自分の心に広角レンズを持てば、それ以上の男性はこの世にたくさんいます。

「男って、みんな同じ!」なのです。あなたは、その同じの中から、自分と釣り合いの取れた最高の愛する男性をゲットできるでしょう。

いや? いやいや? いくらなんでも「男って、みんな同じ!」なわけがないと思うのですが。

【男性は多様】

あたりまえですが、「男はみなひとりひとり違っている」のです。それは女がみな違っているのと同じこと。メール(やLINE)好きの男性もいれば、そうではない男性もいます。

男性とは、ある一定の共通項を持っている可能性は高いにしても、そう没個性な存在ではないはずでしょう。

ここで語られているのは、「恋人とは交換可能な存在である」という話です。

大局的な視点から見れば、どの男も大きな差異はないのだから、ひとりに執着せず、そのなかでいちばん条件が良い男性を選びなさい、という意見ともいえるでしょう。

しかし、「執着」がない「愛」とは、いったい何でしょうか

いつ別れることになっても、まったく取り乱さず、「失っても執着しないで次に行けばいいや」と思えるような関係に、愛があるといえるでしょうか。

愛と執着は同じものではないにしろ、どうにも分かちがたく絡まっていると思います。愛すればどうしても執着が生まれるし、「男って、みんな同じ!」と考えることなどできるはずがありません。

そうやって簡単に関係を合理化できる人は、まだほんとうの愛を知らないのだといってもいいでしょう。

【恋は病】

愛とは、非合理的なもの。病。狂気。それがなければ楽に生きられるかもしれないのに、どうしても手放す気になれないものです。

したがって、「愛を合理化しよう」という考え方はどこかで矛盾を孕んでいます。

もちろん、あまりに非合理な執着を繰り返すことは、あなたの人生そのものを根本から破壊することに繋がりかねません。どこかで理性の声を聴く必要が出て来ることはたしかでしょう。

しかし、初めからただ「条件」だけで相手を選ぶことはつまらないものです。たしかに「条件」だけを見ていれば、世の中の男はみな、そう大きな差はありません。

純粋に合理的に自分の利益だけを考えるなら、給料が300万円より500万円の男のほうがいい、700万円ならもっといいという結論にしかならないでしょう。

ですが、そこには致命的に「愛」が欠けています。

もしあなたが合理的に利益が最大化される人生を希望しているとするなら、それでもまったくかまいませんが、あとで寂しい思いをすることになることは覚悟しなければならないでしょう。

【愛と理性のバランス】

一方で、当然、愛だけですべての難題をくぐり抜けていけるはずもありません。

大切なのはバランスです。揺らぐ愛と理性のあいだで適当なポイントを見つけ出すことが最善の選択なのです。

時には欲望と衝動に任せ、愛する相手との人生に突き進んでいくことは必要です。また時には理性の声に耳を傾けて、泣く泣くではあっても、執着を断ち切る必要が有ることも事実でしょう。

ここには「正しい選択」というものはありません。ただ、あなたが決めて、あなたが選ぶ、それだけなのです。

個人的に、ぼくは愛のバリューを信じたいと思います。ですが、どんなに深く純粋な愛があっても、サイフからお金が湧いて出るわけではありません。

「男って、みんな同じ!」とい意見はあまりに偏っているにせよ、ある程度「条件」を考えてみることが必要な場合もあるに違いありません。

大切なのは、いつも後悔しない決断を続けること。それはとてもむずかしいことには違いありませんが、しかし、その覚悟なくしてひとがひとを愛するなど、できようはずもありません。

「愛とは決して後悔しないこと」とは、往年の名作映画に出て来るフレーズですが、まさにその通り。

後悔しないで済む愛し方をしましょう。その覚悟が、あなたを魅力的なオトナの女性へと導いてくれるに違いありません。