あなたの人生がシビアになる時期~ハウスごとのサターンリターンの出方~5

あなたの人生がシビアになる時期~ハウスごとのサターンリターンの出方~5

あなたの人生がシビアになる時期~ハウスごとのサターンリターンの出方~5

前回の「あなたの人生がシビアになる時期~ハウスごとのサターンリターンの出方~4」では、サターンリターンが第6ハウスと第7ハウスで起こった場合の象意の出方についてお話ししました。
今回は、第8ハウス以降でサターンリターンが起こった場合の事象について見ていきましょう。

 

■土星が入室したハウスとサターンリターンの現れ方~第8ハウスから第12ハウス~

<土星が第8ハウスに位置している場合>

■土星が入室したハウスとサターンリターンの現れ方~第8ハウスから第12ハウス~

第8ハウスは、特定の人との深い関わりを示します。
第6ハウスまで、ハウスの象意は自分自身を示していましたが、ホロスコープを半分回って、いよいよ他者との関わり合いにスポットが当たったのが第7ハウスです。

第7ハウスが友人関係や協力者関係のような「少し距離のある付き合い」を示すのに対し、第8ハウスはもっと深い付き合い、祖先から連なる関係性や配偶者との関係性、時としてセックスを意味します。
祖先が絡みますから、遺産や死を示すこともあり、それによって他者から譲り受けるものを表すこともあります。譲り受けるものは良いものとは限らず、借金のような形で現れることもあります。

そんな第8ハウスに土星が入っている場合、遺産や相続に関して不自由な状態であったり、重い責任が伴う可能性があります。
また、結婚生活に伴う何らかの重圧や責任が生じることになります。

他者との深い関わりに制限がありますので、親密な付き合いというものが苦手な傾向にあります。
その上でサターンリターンが起こった場合、借金や連帯保証絡みできつい重いをしたり、配偶者との関わりにおいて何らかの責任を取ることになる可能性があります。

 

<土星が第9ハウスに位置している場合>

■土星が入室したハウスとサターンリターンの現れ方~第8ハウスから第12ハウス~-2

第9ハウスは、高等教育、宗教や政治を表します。
この場合の宗教は学術的、思想的な意味でのものであり、スピリチュアルな意味とはまた異なります。
大昔にきちんとした教育を受けた人々は哲学者のような思想家や、僧侶などの宗教家であり、多くはローマ法王のように政治家も兼ねていましたから、このような解釈になると考えるとよいでしょう。

また、高等教育を受ける人々は海外に留学したり進出する可能性も高いため、このハウスは、異国や旅を示すこともあります。
ですのでそんな第9ハウスに土星がある人は、 基本的には思想的な部分について真面目で忍耐力があり、よく勉強をする研究者タイプになります。
伝統や古い価値観を重んじるため、保守的で腰が重くなりがちです。旅行についても、あまり相性がいいとは言えません。

そんな第9ハウスでサターンリターンが起こった場合、土星が過度に働くことになり、他者の思想に理解を示さ ず、また自分自身も思想分野に関して視野が狭く、新しい知識を得ることに対して全く興味がない人間になることがあります。
ガチガチに頭が固くなって過去の知識にしがみついている老人を思い浮かべると分かりやすいでしょう。

<土星が第10ハウスに位置している場合>

■土星が入室したハウスとサターンリターンの現れ方~第8ハウスから第12ハウス~-3

第10ハウスは、キャリアを示します。
その人が野心をもって人生において築いていきたいと思うステータスを示します。
第10ハウスに土星がある人は、キャリアに対して自分に対する義務のように感じていますから、権力欲が強い傾向にあります。忍耐力もあるため、多くは社会的に成功するか、その人が属する集団における権威的な存在となるでしょう。

また、土星の制限機能により、キャリアを築くために無駄な人間関係や行動を嫌う偏屈な部分も出てきます。
そんな人がサターンリターンの時期になると、その傾向に拍車がかかり、鼻持ちならない排他的で強引な野心家になる可能性があります。
それが祟ってキャリアについて重すぎる責任を背負ったり、逆に高い地位を剥奪されたりする可能性もあります。

 

<土星が第11ハウスに位置している場合>

■土星が入室したハウスとサターンリターンの現れ方~第8ハウスから第12ハウス~-4

第11ハウスは、「集団と共有する喜び」のハウスです。
仲間や組織で共有しながら理想や希望を求めることを示し、第10ハウスの象意であったキャリアの更に先、指導者や経営者が追い求めるもの、と言えば分かりやすいでしょうか。
その場合、そこには理想が必要ですから、NPO法人や高い理念を持ったベンチャー企業、共通の目的を持ったグループやサークルの活動などを示すことになります。

そんな第11ハウスに土星が入室している場合、集団意識に対して苦手意識を持つ可能性があります。
土星は非常にシビアな星なので、シビアなハウスに入っている時にはそのハウスを良好に働かせてくれますが、安らぎや理想、楽しみを表すハウスに入っている場合は、それらを抑制し現実主義的な思考を強いてくるのです。
夢物語のような理想を持ったふわふわした集団とは折り合いが悪いでしょう。

また、集団行動自体に苦手意識がある場合も多々あります。
そんな第11ハウスでサターンリターンが起こった場合、集団嫌いが顕著になり、孤立化する可能性があります。
また、周囲の人から重圧をかけられたり、何かしら望まない制約を受ける場合もあります。

 

<土星が第12ハウスに位置している場合>

■土星が入室したハウスとサターンリターンの現れ方~第8ハウスから第12ハウス~-5

第12ハウスは、潜在意識のハウスであり、目に見えない領域を示します。
このハウスに土星がある人は、常に何か罪悪感や被害者意識などの重圧を感じていたり、言い様のない焦燥感に襲われたりしています。
心から安らぐということができず、それを振り払うために過度に他者に奉仕するような面も見られます。

そんな第12ハウスでサターンリターンが起こった場合、抑うつ症状が強くなり、精神病のような症状を起こす可能性があります。
訳もなくひどい孤独感に襲われたりしますので、心の安定が必須です。