【芦屋道顕の夏の怪談】前編:遊び人だった男の昔の彼女が自殺。結婚後、死んだ女は「娘」として生まれ変わってきた【現代の呪】

【芦屋道顕の夏の怪談】前編:遊び人だった男の昔の彼女が自殺。結婚後、死んだ女は「娘」として生まれ変わってきた【現代の呪】

梅雨真っ只中じゃの。蒸し蒸しするの~。

そして、何よりも暑い!!わしが今住んでいる狭苦しいアパートは通気性が悪く節電してたら熱中症で死にそうな気温ゆえ、エアコンをガンガンにかけておる。電気代で死にそうじゃ!!

さて、わしほど劣悪な環境にいる女子(おなご)は少なかろうが、暑い季節はやはり怪談でゾゾっと背筋を冷やすのもよいものじゃぞ。

では、さっそく、とっておきの怖い話じゃ。

■生まれ変わって復讐を果たそうとする魂の話

生まれ変わりといえば、恋する乙女はどちらかといえば前世の恋人との再会を願い、ソウルメイトやツイルソウルなどの美しい関係を想像しがちであろう。

しかし、生まれ変わりくる魂の目的は、決して美しいものばかりではない。この世に多大な未練を残しつつも命を落とした者が、今度こそはと生まれくることもある。

★ある、遊び人の男が犯した罪

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これは、ある遊び人の男とその妻が経験した恐ろしい話。

男は界隈では知られた遊び人で、名家に生まれ金回りもよく、また背も高くハンサムで、女にはまったく困ることがなかった。

ゆえに、周囲には若い頃よりモデルの卵から夜の世界のプロの女性から、美しい女性にあふれており、その誰もが彼には本気になり、泡沫の恋の相手ではなく結婚相手になりたがった。

しかし、金回りよく名家出身の男にはよくあることであるが、遊びと本気をキッパリと分けて考えていた。そして、すっかり女遊びには満足し、そろそろ結婚をと考えたときには、それまで付き合うてきた女たちを全て切り捨て、親のコネで知り合った、これまた名家出身の美しく若い令嬢を嫁にした。

その令嬢は処女であったという。

名家ゆえ、嫁の仕事として大事なのは後継ぎとなる男児を産むことであるが、嫁に入った令嬢は、その役割を結婚から一年でやすやすと果たした。

生まれた男児は健康そのもの、父親と良く似ていた。

さて、その男と妻なる令嬢の、非の打ち所のない幸せな日々は、跡取り息子誕生の知らせとして、あらゆる方面に周知された。男も妻も、SNSで喜びの報告をし、毎日のように己等の幸せを逐一報告した。

当然、彼らは皆が己等の幸せを共に喜んでくれているものと思っていたのであろう。

しかし、幸せを己等で謳歌し、本当に信頼のできる少数の人間に報告するのであれば良いが、この世の中では、いつどこで誰が見て、嫉妬の炎を燃やすとも限らぬもの。

男は手に入れた幸せに舞い上がりすっかり忘れていたが、己が結婚する前年に、実は付き合うていた女の1人、しかも令嬢と同い年で、やはり処女であった真面目な女を妊娠させてしまっていたのじゃな。

そして、その女が妊娠を報告し産みたいとの願いを伝えると、絶対に許さぬ、おろせと強く迫り、病院に無理矢理に連れていき、僅かな手切れ金を払うて関係を一方的に断ち切ってしまっておったのじゃ。

その当時、女は己が遊び相手に過ぎなかったと悟り、泣く泣く愛しき我が子を諦めた。それからは、その男のことを思い出さぬように努めていた。

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しかし、あるときから女は、否応なしにその男の結婚を知るようになる。遊び仲間を介して知り合うた男であるゆえ、男が来なくなっても、共通の友人知人が多く、話は常に耳に入ってきていた。

そして、結婚の報から1年経ったある日、何気なく覗いたSNSで、彼女は目にしてしまう。男が、愛おしそうに生まれたばかりの我が子を抱きかかえる姿を……。

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くしくも、その男の長男の誕生日は、捨てられた女が子をおろしたその日であった。

★捨てられた女は死に、妻は娘を授かり……。

それから数日間、女は自ら命を絶った。

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遺書があり、そこには男に対する未練、恨み、そして何よりも「死んでも貴方を諦めない」そして「生まれ変わって、今度こそ一生貴方に愛される」と書き記してあったそうじゃ。

それから数年後、男の妻はまた身ごもった。そして、またも安産で、玉のような娘を授かった。

娘の名前は、男あるいは男の両親が決める予定であったが、このときはなぜか元令嬢の妻が、ある名前を主張した。

「この子には、絶対にこの名前がいいの。漢字ももう、決めてある」

その名前を聞いて、男は少し背筋が寒くなった。その名前は、まさしくかつて己が遊んで捨てた女の名前で、漢字もまったく同じであった。

しかし、男は妻に、かつて己が遊んで妊娠させた女を捨てたなど、話したことがなく、今後も話すつもりもない。そして、のんきなことに、女が命を絶ったことを誰からも聞かされていなかったため、ことの重大さに気付かなかった。

それどころか、「そうだ。娘の名前にして、娘を可愛がれば、あのときの罪滅ぼしにもなるだろう」などと考えて、その名を娘に付けてしまった。

続きは後編:「娘」として生まれ変わってきた「自殺した昔の彼女」の話


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