６月の満月はStrawberry Moon(ストロベリームーン)。
少し前に話題になったこの月は、夏至の時期に訪れる満月を指して言います。
ストロベリーのように赤みを帯びた月だから、という勘違いが広まっていますが、実は色は関係ありません。
この時期の満月は毎年、どんな色であってもストロベリームーンと言います。
それは、ネイティブアメリカン（インディアン）が、すべての満月に名前を付けており、イチゴの実るこの時期の満月をストロベリームーンと名付けたことに由来しているからです。
ストロベリームーンの発祥がイギリスであるというのも間違いで、ヨーロッパ圏にストロベリームーンの伝承はありません。
そもそも、今私たちが想像するようなイチゴは、ほんの200年ほど前にアメリカ産の品種を交配してできたものが広まっただけで、ストロベリーという言葉自体が元々ヨーロッパにはありませんでした。
イギリスの古い満月の名称では、６月の満月はローズムーンと言います。
これもまた、バラの季節の月だからであって、色は関係ありません。
ただし、確かに夏至の頃は月の高度自体が低く、高度の低い位置を通る月は赤く見えるため、赤みがかった月が見えやすい時期ではあります。
そのこともあって、ピンク色の月＝ストロベリーむーという、間違った情報が出回ってしまったのではないかと考えられます。
特にスピリチュアル系のブログ等では、歴史的な経緯を無視して何でもロマンチックにしたがる傾向がありますので、十分な注意が必要です。
とはいえ、満月というものは、占星術的にも非常に大きな意味を持つものであり、恋愛系のおまじないについても満月の力を借りるものが少なくないことには、ちゃんと意味があります。
今回は、「月」が持つ特別な力、占星術的な意味についてお話ししていきましょう。
■「満月」が人の心に与える特別な力とは
占星術に興味をお持ちの方でなくとも、「新月や満月の日には、事故や犯罪が多くなる」という話を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
これは実際に、そういった統計データが存在しています。犯罪だけでなく、地震や火山の噴火などの自然災害も増えると考えられており、専門に研究している人もいるほどです。
満月や新月など、28日間で起きる月の満ち欠けを月齢と言いますが、この月齢と社会現象を結びつけて考えるのです。
こういった日には、精神状態が悪くなる人が多いこともあり、例えば狼男の伝承や、タロットの「月」のカードが不安定な精神状態を示すカードであることからも、古くから月と精神の関連性については言われてきたことです。
ここで、ひとつの学術的な例を挙げましょう。
秋田県角館町が、過去10年間について、月と交通事故の関連性を調査したことがありました。
その結果、新月および満月の日には、圧倒的に交通死亡事故が多いことが判明したのです。
その調査によって、以下のことが明らかになりました。
・地域内で起きた交通死亡事故の約６割が新月と満月の前後の日に集中している。
・事故の原因は、そのほとんどが「スピードの出し過ぎ」や「無理な追い越し」である。
・この調査結果を踏まえ、新月と満月の日を交通事故要注意日としてカレンダーを配布するようになってから、交通事故が激減した。
これは、新月や満月のときは、通常の日よりも人の精神状態が不安定になることを示しています。
また、満月や新月の日には自然死も増えると言われています。
医者の間でも、潮の満ち引きと出産、死亡には密接な関わりがあると言う人がいるほどです。
特に、お産については、新月や満月のときに増えるという臨床結果が存在しています。
アメリカの精神科医でかる、A.L.リーバー博士の研究によれば、新月や満月の時期はそれ以外の時期に比べ
、約10％ほど出生率が上がるとの結果が出ています。
また赤道に近いエリアほどこの現象が出やすいとも言われていますので、月に近い場所ほど影響を受けやすいということなのでしょう。
日本国内ではきちんとした研究結果がありませんが、産婦人科などの出産の現場では、「新月や満月の日には出産が重なりやすい」という言い伝えが昔から存在しており、年輩の方などは、それを元に出産予定日を見立てる人もいるようです。
また、人の死についても、実際に明治天皇や昭和天皇の崩御の日は、大潮と大潮の一日後（新月の前後）だったという事実があります。
天皇のような国家元首は、社会占星術においては明確に位置付けがなされています。
そういった存在が月齢が28通りあるなかで、同じ時期に亡くなるというのは、やはり月齢には何か意味があるのではないかと思えます。
地震予知の現場でも、満月の日には大きな地震が増えると言われていますが、海の水を大きく動かすほどの力があるわけですから、人の体調や地殻の状態に月の引力が影響を与えてもおかしくはないのではないでしょうか。
さて、スピリチュアルなことに懐疑的な方も、月の力について少し信じる気持ちになれましたでしょうか？
そんな月が、人の運勢に与える影響について、占星術の観点から見ていくこととしましょう。
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